王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。
インタビュー
―――今作の執筆のきっかけは?
河邉さん:
十数年バンド活動をしてきて、そのバンドが昨年解散した。ずっと応援してくれたファンの方々からたくさんのファンレターをいただいた。まとめると長編小説になるんじゃないかってぐらいの量のお手紙をみなさんからいただいた。自分の人生の中で音楽に影響を受けて人生が変わった。発信する側だけでなく、受け取る側の視点も入った音楽の小説を書きたいと思い書きました。
―――すごい、涙が止まらなくなりました。
河邉さん:
ほんとですか?めっちゃ嬉しいです。
河邉さん:
音楽に限らず、すごく好きで突き詰めてやっていることが時代と合っていないなと自分でも思ったりとか、周りに言われたるすることってあると思うんです。凄く切ない所だと思うんですけど、願いが叶わなかったことが必ずしもその人を不幸にするわけじゃない。その人なりの幸せを見つけて暮らしていると思う。そういうリアルなところを小説にしてみたかった。
すごくいい曲だけど、タイミングや時代に合わないことはどうしてもある。今の時代はサブスクなどで昔の曲も今の曲も同じフィールドで聴ける。時間も場所も超えて、いい音楽は届いていく。そういう願いも込めて小説にしました。
―――夢の歌は実際にある歌?
河邉さん:
...ではないです。僕が想像して、こんな歌があったらいいなって。
―――私、聴きたくて、聴きたくて。
河邉さん:
誰かに曲を作ってくださることを願っております!
*あの曲を聴くだけで鮮やかに思い出す、懐かしい記憶と共に大好きだった曲を久しぶりに聴きたくなる一冊です。
ひとこと
音楽に携わっている河邉さんだからこそ書けた小説ですね。毎回、いろんな職業をしながら小説を書いている作家さんがブランチに登場しますが、今回はミュージシャンですか~。もはやいくつもの才能を持つ人は普通になりつつあるのでしょうか~?まったく羨ましい限りです。それでは、また来週。
河邉徹プロフィール
1988年兵庫県生まれ。関西学院大学文学部卒。バンドWEAVERのドラマーとして2009年にメジャーデビュー。バンドでは作詞を担当した。2018年に『夢工場ラムレス』で小説家としてデビュー。2作目の『流星コーリング』が、第10回広島本大賞(小説部門)を受賞。