王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2022年4月23日はこちら!!
■インタビュー
まずは、花恋が恋した一冊を。
―――私、大好きなんです。この「アッコちゃんシリーズ」が。初めて読んだときに、こんな素敵な先輩が居たらいいなって、心から思いました。出てくるご飯のおいしそうなこと!
柚木さん:
結構実話。今でも仲良しの先輩がいる。すごく仕事が出来なくて悩んでいるときに、ご飯をごちそうしてくれたり、お弁当を作ってくれたり、あとは怒られたり。その先輩にか「会社員は向いていないから、作家になるといいんじゃないか」って言われたから、作家になった。
―――すごくうらやましいです。アッコさんみたいな先輩が私のそばにも実際いればいいのにって。
次に柚木さんの最新刊の紹介です。
■ついでにジェントルメン:柚木麻子
■内容
分かるし、刺さるし、救われる――自由になれる7つの物語。
編集者にダメ出しをされ続ける新人作家、女性専用車両に乗り込んでしまったびっくりするほど老けた四十五歳男性、男たちの意地悪にさらされないために美容整形をしようとする十九歳女性……などなど、なぜか微妙に社会と歯車の噛み合わない人々のもどかしさを、しなやかな筆致とユーモアで軽やかに飛び越えていく短編集。(Amazonより)
■著者について
1981(昭和56)年、東京都生れ。2008(平成20)年「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞し、2010年に同作を含む『終点のあの子』でデビュー。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞。ほかの作品に『私にふさわしいホテル』『ランチのアッコちゃん』『伊藤くん A to E』『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』『マジカルグランマ』などがある。(新潮社著者プロフィールより)
柚木さん:
私の作品としては珍しく男性が主人公の話が多い。主役とかヒーローになろうと思うところから降りることで、新たな生き方が見えて来る。
―――確かに今まで柚木さんの作品は、優しい女性から、おお、こんなに怖ろしい人が居るんだって女性まで、女性にすごく魅力を感じて来た。今回の話は、ちょっとクセのある男性がたくさん登場して新鮮でした。
―――すごく魅力的な話がたくさん入っているなかで、「エルゴと不倫鮨」が、「ああ、おいしそう」って思いながら読ませてもらいました。
柚木さん:
私、子どもが生まれてから、お酒も飲みに行けなくて、「東京カレンダー」に載ってそうなお鮨屋さんは、夢のまた夢。ちょうどエルゴに出て来るお母さんみたいに、授乳が終わった日に、ワインを飲んで記憶を失ったことがある。それくらい美味しかったんです。こんなおいしいワインないな、っていうぐらいおいしくて。お鮨も控えていたんで、お鮨もおいしくて、おいしくて、その日のことを小説にしたいなって思ったのと、「東京カレンダー」で行くお鮨屋さんに、子連れで行けたらいいのになぁってずっと思っていた。
―――この小説は柚木さんの実体験と願望が詰まっているですね。こんな風に自由でいられたら、もっといろんな人がいろんなものを食べに行けるだろうなって。敷居が高いところとか、女性だから難しいこととか、柚木さんの小説だと、軽やかに飛び越えられる印象。
柚木さん:
ちょっとずつ自分が出来ることから、社会が変わるにはどうしたらいいのかって考えるきっかけになれたらよい。でもまずは、笑って読んでいただけたら何よりです。
*読むと世界の見え方がちょっと変わる短編集です。
■感想
柚木さんの小説はこってりした印象が強いのだけど、本日柚木さんのインタビューを見て、なんとなく納得しました。柚木さんの話を文字におこしてみると、わりと切れ目なくお話される感じが解る。ああ、これは小説も同じだなぁと、妙な発見がありました(笑)にしても、柚木さんの先輩は何者なんだろう。「作家になった方がいい」って、唐突すぎるし、それを受けて本当に作家になった柚木さんもすごい。どうなってるんだろう。ということで、柚木さんの経歴に今回一番驚きました(笑)
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