本日の王様のブランチ・BOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
王様のブランチ(2023年4月29日放送分)の、話題の本と著者のインタビューをまとめて掲載しています。
■オール・ノット:柚木麻子(講談社)
■内容
友達もいない、恋人もいない、将来の希望なんてもっとない。貧困にあえぐ苦学生の真央が出会ったのは、かつて栄華を誇った山戸家の生き残り・四葉。「ちゃんとした人にはたった一回の失敗も許されないなんて、そんなのおかしい」彼女に託された一つの宝石箱が、真央の人生を変えていく。今度の柚木麻子は何か違う。これがシスターフッドの新しい現在地!(Amazonより)
■柚木麻子プロフィール
1981年東京都生まれ。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞し、2010年に同作を含む『終点のあの子』でデビュー。’15年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞。著書に「ランチのアッコちゃん」シリーズ、『伊藤くんA to E』『BUTTER』『らんたん』『ついでにジェントルメン』『とりあえずお湯わかせ』などがある。(Amazonより)
■インタビュー
柚木さん:
作家として今後やって行けるかすごく心配になっていて、じゃ、他になんの仕事ができるかな?と思ったら、唯一これまで怒られなかった、褒めらた仕事が、試食販売のアルバイトをした時だったんですよ。
―――(この小説に)すごく共感しました。実は私もこの3月に大学を卒業した。奨学金なんですよ。制度もすごく難しい。
柚木さん:
そうなんですよ!声を大にして言いたい。将来への不安と、仕事なり学業なりでとても忙しい若者にこれを理解しろと言うのは、ちょっと難しいんじゃないかって。
―――柚木さんが世の中に対する静かな怒りがふつふつ見えてきて。
柚木さん:
私は社会に変わって欲しい。失敗が許される社会というのがないと、生きている人がみんな辛くなってきちゃう。どうやったら自分の人生で(失敗を恐れず)自分の意思でジャンプできるかを思ってくれたらうれしい。
―――その時すごく会っていたけど、継続的に会っている人って意外と少ないなぁって思っていて、そんな自分は淡泊なのかとか感じちゃうことがあった。今回読んで、あの友達に連絡したいなって。
柚木:
うれしい!それが一番うれしい感じ。この物語の中で一番言いたかったことは、めちゃくちゃ熱い友情とか、魂の絆とかじゃなくていいので、読み終わった時に、ちょっと思い出す顔があったらラインでもメールでもいいので、連絡を取ってみて欲しい。と言う気持ちがあります。
*人と人のつながりが、いつか人生の支えになると教えてくれる物語。
オールノットとは?
オールノットとは真珠の珠と珠との間に一つずつ結び目を作るパールネックレスの仕立て方法で、古くから真珠ネックレスに用いられている高級な仕立て方法。
■ひとこと
奨学金の話はよく耳にしますが、奨学金がもらえたからと言って、それでOK!というわけではどうもなさそうですね。制度が複雑とのことですが、そのあたりの情報は意外にも知られていないのでは?と感じました。今回柚木さんが物語を通して実態を伝えてくれている感じですね。それにしても柚木さん、こんなに売れっ子作家なのに、やっていけるか心配だなんて!それでは、また来週!
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