王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2021年年11月27日はこちら!!
笑うマトリョーシカ:早見和真
■内容
親しい人だけでなく、この国さえも操ろうとした、愚か者がいた。
四国・松山の名門高校に通う二人の青年の「友情と裏切り」の物語。
27歳の若さで代議士となった男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。秘書となったもう一人の男は、彼を若き官房長官へと押し上げた。総理への階段を駆け上がるカリスマ政治家。「この男が、もしも誰かの操り人形だったら?」最初のインタビューでそう感じた女性記者は、隠された過去に迫る。『イノセント・デイズ』の衝撃を越える、そして、『店長がバカすぎて』とも全然違う、異色の不条理小説が誕生。
-Amazonより
■著者について
1977年神奈川県生まれ。2008年、強豪校野球部の補欠部員を主人公にした青春小説『ひゃくはち』で作家デビュー。2015年『イノセント・デイズ』で日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。2020年『店長がバカすぎて』で本屋大賞ノミネート、『ザ・ロイヤルファミリー』でJRA賞馬事文化賞と山本周五郎賞を受賞。『ひゃくはち』『イノセント・デイズ』以外にも、『ぼくたちの家族』『小説王』『ポンチョに夜明けの風はらませて』が映像化されている。他の著書に『かなしきデブ猫ちゃん』(絵本作家かのうかりん氏との共著)などがある。--新潮社著者プロフィールより
早見さん:
ジャンルとしては何小説だと思いますか?
━━私個人としてはホラー小説に感じた。
早見さん:
政治小説と思われがちなんですけど、政治の話を書いたつもりはゼロだし、人間を書きたいという気持ちが今回が一番強くて。つまり、人間の本質がホラーだと思えたんですよ、はじめて。ホラー小説だと言ってくれる人のことは、僕はみんな好きです。(わぁ~よかった~)
━━なぜ人間を描くために政治を題材にしたんですか?
早見さん:
この本のテーマに、「本物」「偽物」というキーワードが出てくるんですけど、その人間が「本物」か「偽物」かを問うテーマを探していたんですよ。そしたらテレビのニュースで、お金儲けで政治家をやっていると言われがちな政治家だと思った。
僕がずっと抱えていたある持論を、自分の言葉としてある記者会見で話しているのをテレビで観たことがあるんですね。なるほど、彼はこうやっていろんな人の意見を聞くために僕と食事をしてくれたんだなと腑に落ちたときに、彼はいろんな意見を真綿のように吸収していく。つまり、彼の内面はとても空っぽなんじゃないかと。そこにいろんな人の意見や本で読んだいい言葉をどんどん吸収していける特性があるのではという仮説がどんどん突き進んでいく。それはつまり清家一郎じゃないですか。そうやってキャラクターが生まれていった。
━━ある登場人物のセリフに早見さんの物語への想いが込められている。
早見さん:
見くびるな、です。これほど一つの言葉に対して執着した物語はない。人に見くびられて傷ついたことがある人、あるいは、人を見くびったことによって痛い目をみたことがある人。これはある種のネタバレですけど、どんだけネタバレしても読者の人が本を開く前にイメージするものと絶対違うゴールに辿り着くに決まっている。
━━想像の裏の世界に行っちゃった気分になる。
早見さん:
すごい上手(笑)帯に使いたいね。
果たして清家は「本物」か?「偽物」か?仮面の裏側に隠された真実とは?
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<感想>
初めて生の早見さんを拝見しました。なんだろう、この小説の雰囲気にぴったりのトーンの方だなぁと感じました。なにかちょっと怖い話をしてくれそうっていうか。温和そうなお顔なんですけど、ずっと無表情で淡々と話すものだからそう感じたのかも。ものすごく聞き入ってしまいました。いろいろなジャンルの小説を書かれる方なので、自分に合いそうな小説を探すのも楽しそう。ホラー好きなのでわたしはこの本から読もうかなー♪
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