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【王様のブランチ】道尾秀介さんインタビュー<きこえる>(2023年12月2日 )

 

王様のブランチのBOOKコーナーの作家インタビューの内容をまとめています。

きこえる:道尾秀介

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インタビュー

 

道尾さん:

VRやAR、最新のお化け屋敷に行くのが好きなんですよ。そういうのをあっちこっち行っていると、これは小説が売れなくなると思うわけですよ。ものすごく進化しているんですよね。じゃあ、どうすればいいか?それは小説がもっと進化すればいい。僕なりのやり方で、文章だけではできない世界を作るっていうのを最近ずっとやっている。

今回はにこだわってやっています。

 

―――音を聞くことで文章では読み取れなかったことに気づけたり、思い込みが逆転したりとか、脳みそフル回転で謎解きをした。

 

道尾さん:

中にで出てくる曲の作詞・作曲も自分でやっていて、はじめは自分で声を入れて歌って、それを実際の役者さんに演じてもらうやり方。足音ひとつから、例えば砂利を踏む足音など、真夜中のグラウンドに行って足元にマイクを向けて歩いたりして取っていた。

 

―――喋っている声だけではなくて、音が大きく聞こえる意味だったり、小さく遠くの方で聞こえる意味だったり、いろんなことが頭をフル回転で楽しむことが出来ました。

 

道尾さん:

音と文章の融合でしかできないことをやる。読んでくれた人が文章だけでもできた....と思うのが、一番恥ずかしいんですよ。音と文章でしか絶対に作れない世界。他のやり方では絶対に体験できない世界を作る。

 

 

 

 

―――ただ音聞いて真相がわかるだけではなくて、その裏に隠された登場人物の気持ちや思いにすごく胸を打たれました。

 

道尾さん:

5編入っているので、音の使い方や存在する意味を絶対かぶらないように5つ違うパターンで音を使っている。

 

*謎を解く鍵は全て「音」のなかにある。これまでにない体験ができる新感覚のミステリー小説です。

 

 

 

ひとこと

わー、これは、お話を聴いているだけでわくわくするものがありました。確かに文章だけでもいいんじゃないの?十分面白そう!って私も思ったのですが、いや、それはこれを体験してからどう感じるか....ですよね。だって、本の中の人と読者が同じ音楽を聴くみたいなのって、ちょっと面白いじゃないですか~。しかも怖い感じもあったりで!とにもかくにも、道尾さんのチャレンジ精神はスゴイ。道尾さんは色々試みて、小説の可能性を広げていく作家さんなんだなぁーと感じました。それでは、また来週。

道尾秀介プロフィール

1975年東京生まれ。2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、デビュー。2007年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞、2009年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞、2010年『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞、同年『光媒の花』で第23回山本周五郎賞、2011年『月と蟹』で第144回直木賞受賞。(Amazonより)

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