えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【王様のブランチ・BOOK】道尾秀介さんインタビュー<雷神>(2021年6月5日 )

 

王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。

 2021年年6月5日分はこちら!!

 今週の特集は道尾秀介さんの「雷神」です。

 

雷神:道尾秀介

 ■内容

埼玉で小料理屋を営む藤原幸人のもとにかかってきた一本の脅迫電話。それが惨劇の始まりだった。昭和の終わり、藤原家に降りかかった「母の不審死」と「毒殺事件」。
真相を解き明かすべく、幸人は姉の亜沙実らとともに、30年の時を経て、因習残る故郷へと潜入調査を試みる。すべては、19歳の一人娘・夕実を守るために……。
なぜ、母は死んだのか。父は本当に「罪」を犯したのか。
村の伝統祭〈神鳴講〉が行われたあの日、事件の発端となった一筋の雷撃。後に世間を震撼させる一通の手紙。父が生涯隠し続けた一枚の写真。そして、現代で繰り広げられる新たな悲劇――。
ささいな善意と隠された悪意。決して交わるはずのなかった運命が交錯するとき、怒涛のクライマックスが訪れる。━━Amazonより

 

■著者について

1975(昭和50)年、東京都出身。2004(平成16)年『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、デビュー。07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞、09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞を受賞。10年『龍神の雨』で大藪春彦賞、『光媒の花』で山本周五郎賞を受賞する。11年『月と蟹』で直木賞を受賞。ほかに、『向日葵の咲かない夏』(新潮文庫版)はミリオンセラーに。近著に『貘の檻』『満月の泥枕』『風神の手』『スケルトン・キー』『いけない』『カエルの小指』などの作品がある。━Amazonより

 

━━今作について

 

道尾さん:

ぼくが理想とするミステリーの形がいくつかある。そのうちの一つが書けたなって。

 

雷について考えていたら、ふっとある仕掛けが浮かんだ。(ミステリーの専門家に)前例があるか聞いたら、「ないと思う」と。じゃあ、ということで、この仕掛けを中心に作り始めた。

 

(ここであらすじ)

 

━━最もこだわったことは? 

 

道尾さん:

 体験ですね。読者に体験してもらうっていう。物語の後半にある単語が出て来る。その単語が出てきた時にある人が作中で主人公に示唆する。インターネットに色々書いてあると。そこで読者は読む手を止めて、主人公と同じように検索することも出来る。

 

検索することで、事件の真相の一部を言い当てることができるようになっている。してもいいし、しなくてもいい。その辺の体験を楽しんでもらいたいという気持ちでいろいろ詰め込んであります。

 

━━━道尾さんが本作で描きたかったことは?

 

道尾さん:

殺意が殺人にどうやってつながるのかを書きたかった。例えば裏山にピストルが落ちてないけど、毒キノコは生えている可能性はある。それを使って殺そうとすることができる。でも、普通の人はそれをやらない。それがすごく雷に似ている気がする。雷はいきなり電気が落ちて来るわけではない。リーダーと呼ばれる雷の先駆けみたいなものが、いつもまわりに放射されている。それが高い構造物や木や人間にふれた時に両者の間に一気に電流が流れて雷が鳴るんですね。殺意と殺人とすごく似ている気がして。運・不運の要素がすごく大きいといつも思っていて、それを今回込めている。

 

いくつもの事件が時を超え、急速に一つの真実へと繋がる圧巻のミステリー小説です。

雷神

雷神

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 <感想>

本を読みながらネット検索に走ることって私、結構あります。本書はそんな好奇心旺盛な読者がいることを前提に小細工。思い切り検索に走らせるんですね(笑)

インターネットのなかった時代には決して出来なかった試みじゃないですか。読書の形もこんな風に変化していく。できることの幅が広がることは楽しいです。そしてなによりも、道尾さんご自身がこの作品を楽しんで書かれたんだなぁという感じが表情から伝わって来るインタビューでした。

  それではまた来週!