えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【ラジオ】ツボちゃんの話 夫・坪内祐三:佐久間文子<中瀬ゆかりのブックソムリエ> 2021年6月10日放送 

 

ニッポン放送あなたとハッピー!2021年6月10日放送分

 

新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナーで紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。

 

 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!

 

毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?

早速見て行きましょう。

 

ツボちゃんの話 夫・坪内祐三:佐久間文子

 

 

■著者略歴

1964年大阪府生まれ。1986年、朝日新聞社に入社。文化部、「AERA」、「週刊朝日」などで文芸や出版についての記事を執筆。2008年から書評欄の編集長を務め、2011年に退社。著書に『「文藝」戦後文学史』(河出書房新社)。━━新潮社著者プロフィールより

内容

類まれな同時代史の書き手が急逝して一年半――。妻が語る二十五年間の記憶。「ぼくが死んだらさびしいよ?」が口癖だったあの頃……。けんかばかりしていたけれど憎めない。博覧強記の東京人。生涯一「雑誌小僧」。毎日が締め切りでも、いつもふらふら飲み歩く生粋の遊歩者。「怒りっぽくて優しく、強情で気弱で、面倒だけど面白い」夫との多事多難な日々が鮮やかに蘇る。そう、みんなツボちゃんを忘れない。━━Amazonより

 

 

 

以下、番組内の話をざっくりと抜粋しています。

 

 雑誌をこよなく愛した評論家の坪内祐三さん。 もともと「東京人」という編集者をされていて、そこから作家へと。とても面白いキャラクターで、趣味人で、何でもよく知ってるけど、嘘もつくし、怒りっぽい。「人間の九割キライ」とか言っちゃうんだけど、とても可愛らしい方だった。

 

中瀬さんもお付き合いがあったそうで、亡くなった時は本当にショックだったと。

 

61歳で亡くなった。佐久間さんは坪内さんの愛妻で朝日新聞に勤めていた大変美しい地方。文壇でも「キレイキレイ」」って憧れの存在で、マドンナをサッとツボちゃんが連れ去ったイメージの結婚だった。

 

佐久間さんと中瀬さんは同じ歳ということ、また坪内さんと佐久間さんが一緒になった時期と、中瀬さんと白川さんが一緒になった時期がほぼほぼ同じで、全く他人事ではないと。しかも夫が先に逝くというのも。なので喪失の記憶が蘇って、涙なしでは読めなかった。

 

でも佐久間さんは悲しい、旦那さんが素晴らしかったっていう話ではなく、悲しみはもちろんずっとあるんだけど、坪内祐三がどんな男だったかということを、一番身近で見て来たということを非常に知的な文章で書いている。

 

坪内さんのエピソードは余すことなく面白い。佐久間さんは坪内さんを永遠に誰からも忘れられない、誰からも死なされることのないツボちゃんをここに封じ込めている。その気持ちにも感動しました。

 

 

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<感想>

 坪内さんのことはほぼ初めて知りました。読みたい本のリストには坪内さんの作品が1冊あるのですが、どんな人か全く存じませんでした。今回話を聞いて、かなりのエピソードをお持ちのようですねぇ。中瀬さんはご自身の夫婦関係と重ね合わせて読まれていたそうですね。わたしはまずはリストの中に眠っている坪内さんの作品を読んでみようと思います。それにしても仕事柄とは言え、中瀬さんは本当に交際範囲が広いなあ、といつも思います。

 

それでは、また再来週!

 

★過去のラジオ棚はこちらです。

 

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中瀬さんはこちらの番組でもエンタメ番付のコーナーをお持ちです。姉妹サイトうずまきぐ~るぐるで紹介してますので、合わせてお楽しみください。

ではまた!