<中瀬ゆかりのブックソムリエ2023>「花に埋もれる」:彩瀬まる著を紹介。
ニッポン放送あなたとハッピー!2023年4月13日放送分
新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナー紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!
毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?早速見て行きましょう。
花に埋もれる:彩瀬まる
作品内容
この想いを知ったなら、同じ身体ではいられない。著者の原点にして頂点! 憧れと畏れが幻想を呼び寄せる、緻密で繊細な作品集。「女による女のためのR-18文学賞」受賞作「花に眩む」を含む6篇を収録。(Amazonより)
放送内容
以下、番組内の話の要点になる部分を簡潔に載せています。
・普通の恋愛小説って言っちゃうとちょっと違う。この持ち味こそが彩瀬さんの世界という短編集。
・特殊設定がゆえに、通常の時のことを考える。
・身体に植物が生えてきたりとかも、あるとき(自分の)おへその周りに生えるかもしれない...みたいに思えて来る。
・6編のうちのひとつは彩瀬さんのデビュー作にあたる「花に眩む」も収められている。まさにデビュー作から最新作まで、彩瀬さんの軌跡を組み取ったベストアルバム的な短編集。原点にして頂点。
・「震える」という作品はイギリスの老舗文芸誌に掲載されたくらい世界が推している。
・世界に通用する短編集だと思いました。この感じと言うのは国を問わず、みんが身体的に感じていることとか、心のひだとかいろいろなものを組み取っている。
・あるはずがないんだけど、でもすごくリアリティがある。リアリティと不思議な設定、この世界を行き来させられる。
・読んでいただかないと、いくら説明しても「なんの話?」って思われると思う。
・作家さん同士でも「彩瀬さんすごい!」という声が上がっている。
彩瀬まるプロフィール
1986年千葉県生まれ。上智大学文学部卒。2010年「花に眩む」で第9回「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞。2013年に小説としての初の単行本『あのひとは蜘蛛を潰せない』を上梓。2017年『くちなし』で直木賞候補、2018年同作で第5回高校生直木賞受賞。2021年『新しい星』で直木賞候補。(新潮社著者プロフィールより)
感想
いやぁ~面白そうです!!彩瀬さんの作品はデビュー当時の作品を読んだきりですが、あれからものすごく腕をあげてきたのだなぁ~と、中瀬さんのお話を聴いていて感じました。身体の異変みたいな話、阿部公房をちょっと彷彿させられましたが、あんな感じなのかな~。とにかく読んでみたい。本日は冒頭、カッキーと熊谷アナのブックソムリエでのコメントが素晴らしいという声が方々からあると中瀬さん。気をよくしたカッキー。今日はコメント多めだった気がしますが!ちょっとー、中瀬さんの話、遮らないでよ!(笑)
余談ですが、ブックソムリエの前に村上春樹氏の新刊の話をされていたのですが、その話もとても面白かったです。今回の村上氏の新刊に関わって来た中瀬さん。原稿を読むのは、新潮社の社内でのみ。夜中に読んでいたそうです。家には持って帰れず、読んだことは当然誰にも話せずという。こういう編集者の裏話や、作家さんの話など、一度ぜひ中瀬さん、本にしてください!!逆に作家からみた中瀬さんのお仕事ぶりとかも知りたいなぁ。それでは、また来週。
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