えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

<中瀬ゆかりのブックソムリエ2023>『おばちゃんに言うてみ?』の紹介(2023年8月31日)

 

おばちゃんに言うてみ?:泉ゆたか著を紹介。

ニッポン放送あなたとハッピー!203年8月31日放送分

新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナー紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!

毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?早速見て行きましょう。 

おばちゃんに言うてみ?:泉ゆたか

内容

溜め込んだらあかんよ。人に話したら、そんだけで楽になんねんで。
東京から大阪の夫の実家近くに引っ越し、関西のノリについていけず疲れ果てた沙由美。モデルの仕事を餌に、詐欺師まがいの男にマウントされる華。ネグレクト育ちで転売ヤーとして荒れた生活を送る達也。大阪は岸和田のおばちゃん・小畑とし子が人生の袋小路で立ち往生する人々の背中をドンと押して勇気づける、抱腹絶倒&ちょっとほろりのヒューマンドラマ!(Amazonより)

 

 

 

放送内容

以下、番組内の話の要点になる部分を簡潔に載せています。

 

大阪のおばちゃんが主人公。ヒョウ柄を着て、グイグイとお喋りする岸和田のおばちゃん。

・それぞれ課題を抱えた人々に「セイセイセイセーイ」という口癖のおばちゃんが現れる。

・めちゃくちゃ雑な感じのおばちゃん。

・こういうおばちゃんに耐性がないとか、苦手な方は大勢いると思う。

・あるあるーーって笑えるし、ガサツな感じから勇気ももらえる

・しかし、このおばちゃんにも人知れずの悲しみがあった。

・おばちゃんは主婦でもありタレントでもある。実在のモデルもいる(2021年に亡くなった)おそらくその方への追悼の意も込めてらっしゃると思う。

・みんなこのおばちゃんのことを最初は苦手だと思うが、あるタイミングで好きになる。

・これを読むとおばちゃんたちにもみんな人生があり、みんななんかあるだろうなっていう想像力も深くなる。人に優しくなれる小説

・読んで感動して担当者に「むちゃくちゃ面白かった」って言って、ずっとラジオで紹介したいと思っていた。

・笑えるし、泣けるし、小説の王道の喜びがある素敵な小説。

 

 

 

泉ゆたかプロフィール

1982年神奈川県逗子市生まれ。大阪府岸和田市在住。早稲田大学大学院修士課程修了。2016年「お師匠さま、整いました!」で第11回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。2019年『髪結百花』で第8回日本歴史時代作家協会賞新人賞と第2回細谷正充賞を受賞。他の著書に『君をおくる』『おっぱい先生』『お江戸けもの医 毛玉堂』「お江戸縁切り帖」シリーズ、「眠り医者ぐっすり庵」シリーズなどがある。(新潮社著者プロフィールより)

感想

まだまだ知らない方が多いと思われる作家さんですが、中瀬さん、とても期待されていました。大阪のおばちゃん系の話はホント、面白いものが多い。今日の内容を聴いていてちょっと似ているなぁと思ったのは、田中啓文氏の「こなもん屋馬子」。この時は耐性がなかったのか、強烈さに慄いていました。かなりのインパクトを残した作品です。「おばちゃんに言うてみ」とちょっとかぶるなぁ。とにかくとても面白そう。気軽に読めそうですよ。それでは、また来週!

 ★過去のラジオ棚はこちらです。

中瀬さんはこちらの番組でもエンタメ番付のコーナーをお持ちです。姉妹サイトうずまきぐ~るぐるで紹介してますので、合わせてお楽しみください。