王様のブランチ・BOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
逆転正義:下村敦史
内容
『同姓同名』が中国でベストセラー、TikTokで話題、中学生ビブリオバトルでチャンプ本に!どんでん返しの名手が仕掛ける常識がひっくり返るエンタメミステリ短編集
SNSにも正義警察、正義中毒者が蔓延る現代ニッポン!「あなたはそんなに正しいの?」どんでん返された回数が多ければ多いほどあなたの頭は凝り固まっている!(Amazonより)
下村敦史プロフィール
1981年京都府生まれ。2014年『闇に香る嘘』で江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。数々のミステリランキングで高評価を受ける。15年「死は朝、羽ばたく」が日本推理作家協会賞(短編部門)、16年『生還者』が日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)の候補になる。著書に『真実の檻』『サハラの薔薇』『黙過』『同姓同名』など多数。(Amazonより)
インタビュー
京都にある下村先生のご自宅でインタビュー
―――ここは、お家ですか?
下村さん:
はい、何かが起こりそうな洋館をイメージして建ててみました。
(書斎には)僕が読んできた本、1000冊以上はあると思います。
(本棚は隠し扉になっていて、地下に続く階段があり、その奥は....)うちに来てくれた人に楽しんでもらうためだけの空間です。日常的に自分だけが使うことはない。
―――こんなにこだわりの詰まったお家だと、費用はなかなかかかったんじゃないですか?
下村さん:
そうですね~1億円をちょっとだけ超えました。建築費用を払った直後は、貯金が8万円になりました。
―――下村さんのお気に入りの短編はありますか?
下村さん:
「見て見ぬふり」は、現代的で、今の読者に読んでもらいたい作品だった思います。
―――先生が廊下で帰って行ったとき「えっ!」って思いました。
下村さん:
僕は、デビューから一面的に物事を見て善悪を判断するのはよくないという思いがありまして、一方から見て悪に見える人が、実は善意で行動していることもあるし、その逆もある。人の抱えている思いとか、そういうものを含めて知った時にどう変わるかということを意識しました。
―――もう、見事にどんでん返されました。
下村さん:
ありがとうございます。僕は自分をエンタメ作家だと思っているので、読んでくれた人が「驚いて欲しい」「楽しんで欲しい」―それが、僕の中でのモチベーションです。意外な犯人で驚かれることは難しくても、意外な動機だったり、そういうものはいくらでも新しさはあるんじゃないかなと思います。
*読者の予想を何度も裏切る、どんでん返しミステリです。
ひとこと
今回は作品より下村さんのご自宅の凄さにもっていかれました(笑)お宅拝見的に、もっと見てみたかったですねぇ~。隠し扉が他にもいっぱいありそう。にしても、貯金を使い切った感じもすごい。創作活動に必要な環境作りをして、この先どんどん書いて稼いでいこうという意気込みを感じました。今、ノリノリの作家さんですものね。本作は短編集で、とても読み易いそうです。下村作品の初読みには良さそうな感じがしました。それでは、また来週。
過去のテレビ棚一覧は、こちらからどうぞ!
ブックコーナーで話題になった作品
ブレイディみかこさんの小説