『受け手のいない祈り』 朝比奈秋著の紹介です。
ニッポン放送あなたとハッピー!2025年4月17日放送
新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナー紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?早速見て行きましょう。
放送内容
以下、番組内の話の要点になる部分を簡潔に載せています。
・賞ハンターである朝比奈さん。現在賞獲り総なめ中。
・「この作品で芥川賞をとると思っていた」というほど高い評価を受けていた。
・「背骨」が一つのキーワード。
・長時間の連続勤務で極度の疲労、食欲の異常など、死と狂気が常に隣り合わせの日々の中で、患者と自分の境界、他人との境目がなくなって来て溶けだしてくる。
・朝比奈さんご自身も、本当にひどい時は2か月くらい24時間途切れない状態が続いたという。
・既視感、反復状態に陥っていく。
・続いていくことの怖さが感じられる。
・生きている人と死者の境界までも見失ってしまう。
・身体感覚がものすごく描かれた作品。
・ドラマ的に一種、ホラー的なような感覚で震えながら読んでしまう。
・命を救うために魂を犠牲にするようなことが実際にあったということを背景に、またすごい作品が誕生した。
著者プロフィール
1981年京都府生まれ。医師として勤務しながら小説を執筆し、2021年、「塩の道」で第7回林芙美子文学賞を受賞しデビュー。2023年、『植物少女』で第36回三島由紀夫賞を受賞。同年、『あなたの燃える左手で』で第51回泉鏡花文学賞と第45回野間文芸新人賞を受賞。2024年、「サンショウウオの四十九日」で第171回芥川龍之介賞を受賞。他の作品に『私の盲端』など。(新潮社・著者プロフィールより)
感想
コロナ禍での医療崩壊のニュースは本当に怖かったでよね。この先どうなってしまうのかと。そして医療従事者がどんな重責を背負って働いていたか、今でも頭が下がる気持ちになります。時間が経ち、すでにそういうことも忘れてしまいがちですが、今一度、過酷な医療現場を振り返る意味でも読んで記憶に留めておきたいと思いました。朝比奈さんの作品は未読なので、こちらから読んでみようかなと。それでは、また来週!
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