えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【王様のブランチ】青山美智子さんインタビュー<リカバリー・カバヒコ>(2023年9月23日 )

 

王様のブランチ・BOOKコーナーで紹介された本を紹介します。

リカバリー・カバヒコ:青山美智子

内容

5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの日の出公園には古くから設置されているカバのアニマルライドがあり、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説がある。人呼んで”リカバリー・カバヒコ”。アドヴァンス・ヒルに住まう人々は、それぞれの悩みをカバヒコに打ち明ける。高校入学と同時に家族で越してきた奏斗は、急な成績不振に自信をなくしている。偶然立ち寄った日の出公園でクラスメイトの雫田さんに遭遇し、カバヒコの伝説を聞いた奏斗は「頭脳回復」を願ってカバヒコの頭を撫でる――(第1話「奏斗の頭」)出産を機に仕事をやめた紗羽は、ママ友たちになじめず孤立気味。アパレルの接客業をしていた頃は表彰されたこともあったほどなのに、うまく言葉が出てこない。カバヒコの伝説を聞き、口を撫でにいくと――(第3話「紗羽の口」) 誰もが抱く小さな痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。(Amazonより)

青山美智子プロフィール

愛知県出身。小説家。「木曜日にはココアを」で宮崎本大賞を受賞。ほかの著書に「月の立つ林で」など。

 

 

 

インタビュー

 

―――青山さんにとって「本屋大賞とは?」

 

青山さん:

本当にたくさんの出会いをくれる大きなイベントですね。書店員さんをはじめとして、読者さんとすごく近くにいられる、繋がりがたくさん持てるもの。ただ、どんな賞でもそうなんですけど、作家がそれを狙ったりとか、努力して得られるものではないので、作家は本当に書くだけです。

 

―――カバヒコが可愛いんですよね。すごく愛着が湧いちゃいました。

 

青山さん:

ありがとうございます。カバヒコってたぶん新品のかっこいいものだったら、みんなそんなに心を打ち打ち明けたいとか、寄り添いたいとか思わなかったかもしれない。傷だらけで、ペンキも剥げてしまって、そんなカバヒコだから、みんなが話したくなったり、誰にも言えないことを言いたくなったりするのかなと思う。

 

 

 

青山さん:

自分以外の誰かの傷とか凹みを、愛おしいと思えたら素敵なことだと思うし。この本の登場人物も、そんな気持ちでカバヒコと向き合っていけたらいいなと思って書きました。

 

いつもいい状態でいたいのは当たり前のことで、ずっと調子がいいとか、ずっとうまくいっている、ずっと元気とか、もしそうだったらとってもいいことなんだけど、何らかの事情で立ち止まざるを得なかった人が、そこから顔を上げて立ち上がっていくときの回復力は本当に強い輝きがある。それはずっとうまくいっているよりも、遥かに強い力になる。私自身も感じている。

 

みんなの中にその力があると、私は信じたい。そういう気持ちで回復、リカバリーを書きたいと思った。

 

*誰もが抱く小さな痛みに優しく寄り添う成長物語です。

 

 

ひとこと

 

まず、カバヒコってなに?って思ったんですが、公園にあるアニマル(乗るやつ)らしいんですよね(笑)

青山美智子さんと言えば、本屋大賞の常連さんって印象が強いですね。書店員さんからも人気が高い作家さんですから、絶対面白いはず。私はまだ青山さんの作品は読んだことがないのですが、話題になった赤と青とエスキースあたりから読んでみたいなって思っています。それでは、また来週。

 

ブックコーナーで話題になった作品

自分らしく幸せに暮らすヒントが綴られている。

 

過去のテレビ棚一覧は、こちらからどうぞ!