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【王様のブランチ】塩田武士さんインタビュー<存在のすべてを>(2023年9月30日 )

 

王様のブランチ・BOOKコーナーで紹介された本を紹介します。

存在のすべてを:塩田武士

存在のすべてを

存在のすべてを

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内容

平成3年に発生した誘拐事件から30年。当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「今」を知る。異様な展開を辿った事件の真実を求め再取材を重ねた結果、ある写実画家の存在が浮かび上がる――。質感なき時代に「実」を見つめる、著者渾身、圧巻の最新作。(Amazonより)

塩田武士プロフィール

1979年兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒業後、神戸新聞社に入社。2010年『盤上のアルファ』で第5回小説現代長編新人賞を受賞し、小説家としてデビュー。同作は第23回将棋ペンクラブ大賞文芸部門大賞も受賞した。2012年神戸新聞社を退社。その他の著作に『女神のタクト』『ともにがんばりましょう』『崩壊』『盤上に散る』『雪の香り』がある。(新潮社・著者プロフィールより)

 

 

インタビュー

塩田さん:

これは間違えなく、僕の人生の節目となる1作。

 

―――ミステリー小説と一言では絶対に表したくない、すごいものを読んだなぁ。

 

塩田さん:

書いて良かったー(笑)

誘拐とは別の事件を起こして、警察が別の事件に行くというのを考えたんですけど、調べた結果、誘拐ほど全県警態勢で捜査するものはない。二人誘拐されたらと、何の脈略もなく、ハッと思ったときに、すぐに編集者に電話して、「笑わんと聞いて欲しいんですけど、二児同時誘拐はどうですか?」って言ったら「おもしろい」ってなって。

 

塩田さん:

普通なら犯人捜しにいくと思う。でもそうじゃなくて、その当事者がどう過ごしてきたか、空白の3年間というのが出て来る。この3年に何が起こったかがテーマになっている。

 

人間を書きたいという中で、家族という大きなテーマで、このことがいかに尊いことなのか、っていうことが、おそらく小説を読み終えたあと、胸に迫って来る小説であったらいいなと思う。

 

―――そこがタイトルにもつながっていたりするんですか?

 

塩田さん:

「存在のすべて」というタイトルが内から出て来た感じですかね。

 

*固い絆で結ばれた家族の存在に心を打たれる物語です。

存在のすべてを

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ひとこと

 

行方不明の子供が何年かして戻って来る。....捜査しても見つからなかった事件って結構多いから、この話のようなことは本当にあり得そうだなぁと思いました。空白の時間に何があったのか、気になりますよね。塩田さんのひらめきのようなものから生まれた作品。内なるところから湧き上がってきたものをすぐに編集者に伝え、相談する。恐らくこの行動が大事なんだろうなぁと、興味深く拝聴しました。それでは、また来週!

 

ブックコーナーで話題になった作品

ドキュメンタリー風のホラー小説

近畿地方のある場所について

 

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