王様のブランチ・BOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
エヴァーグリーン・ゲーム:石井仁蔵
インタビュー
―――受賞の連絡を受けた時のお気持ちは?
石井さん:
仕事中だったんですけど、建物の裏に行って大ジャンプをした、感動とか喜びだけでは収まらないような気持ち。
―――「生き残った駒は、死んだ駒の命を背負う」ってセリフがずっと頭から離れない。
石井さん:
受験でも就職でも、合格した人の裏では不合格だった人も居る。生き残った者というのは、消えて行った者たちのことを思えば....というのはおこがましいけど、常に目の前の相手、仕事というものに全力で向き合っていくというのが生き残った者の責務。
―――全員がぶつかり合ったラストの試合、凄かったですね。
石井さん:
勝つことは大事だけど、その過程にこそ尊さが宿る。何か一つのことに打ち込める。それだけで人生の大事なものに出会っている.....という風に思っています。
*チェスをに魅入られた若者たちを通して、人生にとって本当にたいせつなものを気づかさせてくれる1冊です。
ひとこと
チェスはあまり日本人には馴染みがありませんが、そんなチェスのことをよく知らない人でも楽しく読めるとのことです。筆者の石井さん、東大を卒業してからもずっと書き続けていたそうです。石井さんにとって打ち込めるものとは、まさに書くことだったのでしょうねえ。すでに大事なものと出会った石井さん。ポプラ社小説新人賞受賞、おめでとうございます。それでは、また来週。
石井仁蔵プロフィール
1984年生まれ、新潟県出身。東京大学文学部卒業。本作にて第12回ポプラ社小説新人賞を受賞。
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