王様のブランチのBOOKコーナーの作家インタビューの内容をまとめています。
犬は知っている:大倉崇裕
インタビュー
大倉さん:
ドキュメンタリー番組でファシリティドッグを取り上げてたものがありまして、なんとなく引っ掛かりがあった。ファシリティドッグをミステリーに応用できないかと、どうしても考えてしまって。
―――ほっこり作品なのかなって最初思いきや、事件解決へのたたみかけが、ものすごく爽快であっという間に読み終えました。
大倉さん:
あーそうですか!本当、ありがとうございます。
大倉さん:
人間同士で、どんなに責め立てても口を割らない犯罪者であっても、犬だったら喋るんじゃないか。癒しの効果によってポロっと出ちゃう。
―――まんまとポロっと出ちゃいましたね。
大倉さん:
どんなに悪辣な犯罪者であっても、痛みとか死への恐怖を前にした時に、そういう犬が出てきたらなんか喋っちゃうんじゃないかと。
―――二人の信頼感があってこその、事件解決へのたたみかけかなと感じた。
大倉さん:
犬から人へという方向性をどこまでやるかってところで、かなりピーボを頭のいい犬にして。笠門より頭がいいんじゃないかって言うくらいの感覚で書いた。それでもやっぱりバディとして見えない絆って言いますか、ピーボは信頼を置いているという雰囲気を出したいと思った。
*癒されながらハラハラできる新しいタイプの警察ミステリです。
ひとこと
ついに人間の手助けをここまでできる犬が登場かと思うとワクワクしますね。よくテレビとかでも見かけましたが、病院に居る犬は「ファシリティドッグ」って言うんですね。初めて知りました。犬も教育次第でたくさんの可能性がある生きものなんだなぁ。まさに人間の良き相棒であることは間違いないですね。それでは、また来週。
大倉崇裕プロフィール
1968年、京都府生まれ。学習院大学卒。1997年「三人目の幽霊」で第4回創元推理短編賞佳作を受賞。98年「ツール&ストール」で第20回小説推理新人賞を受賞。
「福家警部補」「白戸修の事件簿」「警視庁いきもの係」のシリーズがテレビドラマ化され、反響を呼んだ。17年、映画『名探偵コナン から紅の恋歌』の脚本を担当し、21年のテレビアニメ『ルパン三世PART6』ではシリーズ構成を手がける。他の著作に『死神さん』『i一日署長』などがある。(Amazonより)