ニッポン放送あなたとハッピー!2021年3月25日放送分
新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナーで紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。
番組はこちら!radikoでも聴けますよ!
毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?
早速見て行きましょう。
血も涙もある:山田詠美
■著者略歴
1959(昭和34)年、東京生れ。明治大学文学部中退。'85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。同作品は芥川賞候補にもなり、衝撃的なデビューを 飾る。'87年には『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。さらに、'89(平成元)年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、'91年 『トラッシュ』で女流文学賞、'96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、'05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞を 受賞する━━「BOOK著者紹介情報」より
■内容
私の趣味は人の夫を寝盗ることです――妻と夫とその恋人。極上の“危険な関係”。有名料理研究家の妻と、その10歳年下のイラストレーターで「魅力的」な夫。ある日、妻の助手である一人の女が、夫の恋人となる。はじめは、微妙なバランスを保っていた3人の関係は、ユーモラスに残酷に、その味わいを変えていく。「妻」「夫」「恋人」と異なる視点から語られる、意外なその後味とは―。著者、最新作!━━Amazonより
中瀬さん:
詠美さんはもうね、日本を代表する作家で、数々の文学賞を受賞され、大ベストセラーもたくさんだされています。その山田詠美さんの最新作です。
妻と夫とその恋人、3人の危険な関係を書いた作品で、帯に「私の趣味は人の夫を寝取ることです」って言う一文があるんですけど.....。
(ここであらすじ紹介)
中瀬さん:
3人それぞれの視点の章で物語は進んでいく。ラヴァー、ワイフ、ハズバンドの章、これが順繰りに来て、10章で全員、周りの人たちが。不倫小説って小説のひとつのジャンルとしてあるんですけど、やっぱ山田詠美さんは一線を画していて、非常に毒のあるユーモアと残酷さと、ちょっとゾクッとするものがある。すごく軽妙なタッチなんですけど、印象的な文章とか出て来るんですよね。名文家ですから。
軽やかな文体に騙されてはいけない。それぞれ異なった視点から語られていって、それがだんだんいろいろなことが交わったり、離れたり、絡まりながら結末へと向かっていく。後味は、料理研究家なだけにどんなお味でしょうか?
誰に気持ちをそわせるかによって見方が変わって来るんですけど、私は奥さん側なんですよね。(垣花さん:なぜか僕も奥さん側なんでよ(笑))
中瀬さん:
それぞれ一癖も二癖もあって、会話がすごく面白い。
タイトルもセンスがある。「血も涙もある」ですよ。詠美さん、タイトルもすごく上手い方ですよね。これまでのファンも「やっぱ...だよな!」てな感じだし、これまで読んだことのない方もこの作品から入ってもいいと思います。「血も涙もある」がどういう風に出て来るかも見ものですよ。
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<感想>
本日紹介の本はすでに予約済み。山田詠美さん、ここ数年こういうそれぞれの視点で描く人間模様という作品が多い気がします。これがねぇ、もうほんと、読み出すと止まらないんですよ。今回もかなり楽しみです。
来週は中瀬さんはお休みだそうです。垣花×中瀬コンビ、4月からは東京MXTVの「5時に夢中!」でも。ラジオとは違った雰囲気がまた楽しめそうです。「ぶた村」の存在も拡大化しそうですね(笑)
★過去のラジオ棚はこちらです。
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中瀬さんはTOKYOMXTVの5時に夢中!でもエンタメ番付のコーナーをお持ちで、そちらで紹介された本や映画も、姉妹サイトうずまきぐ~るぐるで紹介してますので、合わせてお楽しみください。
ではまた!