王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2021年年11月6日分はこちら!!
怖ガラセ屋サン:澤村伊智
■内容
誰かを怖がらせてほしい。戦慄させ、息の根を止めてほしい。そんな願いを考えてくれる不思議な存在――。「怖ガラセ屋サン」が、あの手この手で、恐怖をナメた者たちを闇に引きずりこむ!怪談は作りものだと笑う人、不安や恐怖に付け込む人、いじめを隠す子供、自分には恐ろしいことは起こらないと思い込んでいる人……。こんなヤツらに、一瞬の恐怖なんて生ぬるい!気づいたときは、あとの祭り。“怖がらなかったこと"を、後悔させてあげる――。一話ごとに「まさか! 」の戦慄が走る、連作短編集。━━Amazonより
■著者について
1979年大阪府生まれ。2015年、『ぼぎわんが、来る』(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回日本ホラー小説大賞大賞を受賞しデビュー。同作は『来る』のタイトルで映画化も。2017年、『ずうのめ人形』が第30回山本周五郎賞候補。2019年、「学校は死の匂い」で第72回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。著書に『恐怖小説 キリカ』『ししりばの家』『ひとんち 澤村伊智短編集』『予言の島』『ファミリーランド』『うるはしみにくし あなたのともだち』『アウターQ』『邪教の子』など。-Amazonより
━━「怖ガラセ屋サン」を描こうとしたきっかけは?
澤村さん:
ぼくはいわゆるお化けや幽霊が出てくる小説でデビューして、主にそういうホラー小説を書いているんですけど、「結局一番怖いのは人間でしょ?」とか言ってくる人がいる。ぼくに原稿を頼んでくる人の中にもそういう人がいて。はっきり言ってカチンときて、「なにが人間が一番怖いんだぁ」と思って、一回くらいぎゃふんと言わせたいなっていうのがあって...。
(ここで一緒に来ていた担当編集者さんが登場。彼女のひと言で火がついたという澤村さん。)
編集者さん:
「人間が一番怖い」と言ったことで、この原稿が出来たと思ったら、怒らせて良かったって。(大笑い)
澤村さん:
だから結局転がされている。
澤村さん:
結局、自分が怖い目にあうとは全然思っていない人たちが「うわーー」ってなる話。自分は怖いと思っていない人、今後も怖い目にあうとは全然思っていない人を中心に書いているところが今回はあります。
━━(読んで)日常がすごく怖くなった。
澤村さん:
それは嬉しいですね。これ読んだ後に、落ちている石ころが怖いと思う小説が理想だと思うんですね。今まで怖くなかったものが怖くなると。夜道も平気で歩いている人が、歩けなくなったら、勝ちって言ったらおかしいけど、小説書いて良かったと思う。
恐怖の先にある恐怖の扉が開く連作短編集です。
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<感想>
澤村さんの作品は本当に怖い!今、ホラーと言えば澤村さんと言ってもいいほど、話題になっていますよね。今回のインタビューで澤村さんの作品作りの根底にあるものが知れてよかったです。穏やかそうな雰囲気の澤村さんですが、内に秘めた「怖がらせたい」願望がメラメラと感じられました。澤村さんご本人こそが「怖ガラセ屋サン」じゃないの?って思ってしまいました(笑)
それではまた来週!
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