王様のブランチ・BOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
王様のブランチ(2023年7月8日放送分)の、話題の本と著者のインタビューをまとめて掲載しています。
いい子のあくび:高瀬隼子
内容
公私共にわたしは「いい子」。人よりもすこし先に気づくタイプ。わざとやってるんじゃなくて、いいことも、にこにこしちゃうのも、しちゃうから、しちゃうだけ。でも、歩きスマホをしてぶつかってくる人をよけてあげ続けるのは、なぜいつもわたしだけ?「割りに合わなさ」を訴える女性を描いた表題作(「いい子のあくび」)。(Amazonより)
高瀬隼子プロフィール
1988年愛媛県生まれ。東京都在住。立命館大学文学部卒業。「犬のかたちをしているもの」で第43回すばる文学賞を受賞。2021年『水たまりで息をする』で第165回芥川賞候補に。2022年『おいしいごはんが食べられますように』で第167回芥川賞を受賞。(Amazonより)
インタビュー
―――芥川賞受賞後の初作品ですが、プレッシャーはありましたか?
高瀬さん:
書いているときはプレッシャーは感じなかったんですが、むしろ今、自分の手を離れて売れるのかな、読んでもらえるのかな?って感じています。
―――こんな怖ろしい始まり方ってあるか?って。一行目から滅茶苦茶面白かった。今回の執筆のきっかけについて教えてください。
高瀬さん:
歩きスマホの人にぶつかられた日があって、「うわ!イラっとした」。これ小説に書こうかなって思って、そのシーンは入れて、話が膨らんでいきました。
―――大地はぶつかられたことがない。直子はこいつはぶつかっていい選別された側。直子側にしかわからない鬱憤がありますよね。
高瀬さん:
そうですよね。前から歩きスマホの人が来ていて、その人が一瞬顔を上げて自分と目が合ったのに、元の姿勢に戻ってまっすぐ歩いて来た時、私がもし180㎝以上の体格の強面男性だったら、あの人はそのまま歩きスマホしない。絶対、顔を上げて避けただろうなって勝手な想像で怒っている。
―――直子がぶつかったことや、相手に対する執着がすごく丁寧に描かれている。直子の行動をどう思いますか?
高瀬さん:
ヤベーヤツだなって。でも、直子のことを、わたしは嫌いではない。直子がやっていることは出来ないじゃないですか。やってはいけない。爽快感があるのもわかります。
―――この話はテレビで流れますが、大丈夫そうですか?
高瀬さん:
本当にこの本が発売されるのが怖い。でも、主人公が思っているだけでです。
―――そこは注釈を入れておきます。
*不合理な世の中への鬱憤を募らせる直子が行き着いた衝撃な結末とは?
ひとこと
ひやぁー。かなりエグイ内容とみました。高瀬さんは本当に物静かで、決して口数が多い方じゃない。それだけに、一字一句話を聴いていると、作品の怖さがひしひしと感じられるものがあります。それはこれまでの作品にも言えることですが。とにかく、とにかく、早く読みたくなりました。作家自身が発売されるのが怖いって....。最高怖い宣伝だと思います(笑)それでは、また来週。
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