<中瀬ゆかりのブックソムリエ2023>ぼくはあと何回、満月を見るだろう:坂本龍一著を紹介。
ニッポン放送あなたとハッピー!2023年7月6日放送分
新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナー紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!
毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?早速見て行きましょう。
ぼくはあと何回、満月を見るだろう:坂本龍一
作品内容
自らに残された時間を悟り、教授は語り始めた。創作や社会運動を支える哲学、国境を越えた多彩な活動、坂本家の歴史と家族に対する想い、ガンと共に生きること、そして自分が去ったあとの世界について--。幼少期から57歳までの人生を振り返った『音楽は自由にする』(2009年)を継ぎ、最晩年までの足跡を未来に遺す、決定的自伝。著者の最期の日々を綴った、盟友・鈴木正文による書き下ろし原稿を収録。(Amazonより)
放送内容
以下、番組内の話の要点になる部分を簡潔に載せています。
・57歳までの活動を振り返った自伝「音楽は自由にする(新潮文庫)」を出版されていて、本作はその続編にあたる。最晩年までの活動をまとめた決定的な自伝本。
・タイトルは坂本さんが癌の告知を受け20時間に及ぶ大手術。その時に病室で坂本さんがふとつぶやいた一言から。
・映画・シェルタリングスカイに出て来た言葉でもある。(坂本氏が音楽を担当した)
・雑誌「新潮」で連載されたもの(8回で完結)。聴き手は盟友の編集者の鈴木氏。
・この鈴木さんの「著者に代わってのあとがき」が素晴らしい。感情豊かに綴られる。
・坂本さんの手書きのメモなども紹介されている。
・新潮連載後、2か月後に亡くなる。
・これだけの大変な状況でこれだけの言葉を紡げる、坂本氏の知性と精神力、芸術性高さに改めて打たれる。
坂本龍一プロフィール
1952年1月17日、東京生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了。1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年、YMOの結成に参加。1983年に散開後は『音楽図鑑』『BEAUTY』『async』『12』などを発表、革新的なサウンドを追求し続ける姿勢は世界的評価を得た。映画音楽では『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞音楽賞、『ラストエンペラー』でアカデミー賞作曲賞、ゴールデングローブ賞最優秀作曲賞、グラミー賞映画・テレビ音楽賞ほか、受賞多数。『LIFE』『TIME』をはじめとする舞台作品や、韓国や中国での大規模インスタレーション展示など、アート界への越境も積極的に行なった。環境・平和問題への提言も多く、森林保全団体「more trees」を創設。また「東北ユースオーケストラ」を設立して被災地の子供たちの音楽活動を支援した。2023年3月28日死去。(Amazonより)
感想
この作品は「5時に夢中!のエンタメ番付6月場所」でも中瀬さんは紹介されていたのですが、いや、本当に胸にグッとくるものがあります。まだ読んでいないんですけどね。本当に命が尽きるギリギリのところまで坂本さんが残していった言葉がねぇ。坂本さん、高橋さんが亡くなったこともしっかりご存じだったのですね。お二人、ほとんど同じ時期に旅立たれちゃいましたね。本当に寂しい限りです。それでは、また来週。
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