Eテレ「理想的本箱 君だけのブックガイド」で紹介された本を掲載しています。
番組内容
静かな森の中にある、プライベート・ライブラリー「理想的本箱」。 あなたの漠然とした不安や悩み、好奇心に答えてくれる一冊を、この世に存在する数えきれない本の中から見つけてくれる、小さな図書館です。 これから長い人生を生きていくあなたに素敵なヒントを与えてくれる本を、あなたの心に寄り添って一緒に見つけてゆきます。
出演者
理想本棚主宰―吉岡里帆(俳優)
理想本棚司書―太田緑ロランス(俳優)
理想本棚選書家―幅允孝(ブックデレクタ―)
今回のテーマは
「戦争が迫ってきた時に読む本」です。(2023.7.3放送)
(以下、放送内で語られたポイント部分をコンパクトに記載しています)
今週の3冊
戦争は女の顔をしていない:スヴェトラーナアクシエーヴィチ
・筆者はジャーナリスト・作家。ウクライナ生まれ。2015年にノーベル文学賞を受賞している。現在はドイツ在住。
・本書は完成後2年間出版できなかった。(祖国を中傷しているという批判により)
・戦場で確かに存在した名もなき女たちの感情がここにギュッと閉じ込められている。
・次世代に手渡していく力強い作品。
短くて恐ろしいフィルの時代:ジョージ・ソーンダーズ
・著者はアメリカ・テキサス生まれの作家。ブッカー賞受賞作家。
・本作は、ジェノサイドにまつわるおとぎ話。コンプレックスの塊の男が、だんだん独裁者になっていく話。奇妙、奇天烈、ユーモラスのある作品。ですが、今の社会を射抜いている作品でもある。
・不思議な生命体が出て来る。
・<他者>とみなしたものを、根絶やしにしたがる人間のエゴにまつわる物語。
翻訳はファンの方が多い岸本佐知子さんですよ!
ひろしま:石内都
・著者は群馬県桐生市生まれ。現代の日本を代表とする写真家の一人。
・広島で被爆された方々のご遺品。肌身に直接触れていたものを2007年からずっと取り続けている。
・写真表現だからこそ伝わるものがある。
・身につけていた人たちの、日常と生を静かによみがえらせる。
後記
3冊目の「ひろしま」は、石内さんが実際、撮影されている現場が放送されました。まるでそれを着ていた人に、心の中で話しかけながら撮られているいるのだなぁ(実際そうかどうかわかりませんが)という雰囲気に満ちた撮影現場でした。そして、それらのものからは、なにか私たちに訴えかけているような「声」が聞こえてくる感じもしました。
「戦争は女の顔をしていない」はコミック版のシリーズ化もされているようですね。
今回のテーマ本は、一度は読んでおきたいものばかりでした。それでは、また来週。
過去の放送分
これまで様々なテーマが放送されました。
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オーダーメイドのライブラリーというコンセプトの番組です。ミニドラマ(映像の帯)や、朗読、くわえて解説で本の紹介するので、大変内容がつかみやすく、作品がぐっと身近に感じられる番組です。老若男女問わず、誰が見ても楽しめると思います。