えとせとら本棚

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【王様のブランチ】深緑野分さんインタビュー<空想の海>(2023年5月27日 )

 

本日の王様のブランチ・BOOKコーナーで紹介された本を紹介します。

王様のブランチ(2023年5月27日放送分)の、話題の本と著者のインタビューをまとめて掲載しています。

空想の海:深緑野分

■内容

“読む楽しさ”がぎゅっと詰まったカラフルな11の物語。奇想と探究の物語作家、デビュー10周年記念作品集!
「緑の子どもたち」
植物で覆われたその家には、使う言葉の異なる4人の子どもたちがいる。言葉が通じず、わかりあえず、でも同じ家で生きざるを得ない彼らに、ある事件が起きて――。
「空へ昇る」
大地に突如として小さな穴が開き、そこから無数の土塊が天へ昇ってゆく“土塊昇天現象”。その現象をめぐる哲学者・物理学者・天文学者たちの戦いの記録と到達。
ミステリ、児童文学、幻想ホラー、掌編小説 etc.書き下ろし『この本を盗む者は』スピンオフ短編を含む、珠玉の全11編。(Amazonより)

■深緑野分プロフィール

1983年神奈川県生まれ。2010年「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年、入選作を表題作とした短編集でデビュー。著書に『戦場のコックたち』『分かれ道ノストラダムス』『ベルリンは晴れているか』『この本を盗む者は』『カミサマはそういない』『スタッフロール』。(Amazonより)

 

 

 

■インタビュー

―――ミステリ、ホラー、児童文学だったりと、一人の人が書いたとは思えないぐらい、いろんな楽しみさがある作品。アイデアはどこから生まれてくるんですか?

 

深野さん:

アイデアがあっちこっち飛んでいくタイプなので、それに忠実に自分が楽しいと思うものを書いたら、色々なテイストになった感じですね。

 

―――書いていて一番楽しかった作品は?

 

深野さん:

「空へ昇る」というSF。やりたい放題やった感じですね。

 

―――「土塊昇天現象」...読んでいてすごい想像しちゃった。これはどこから、どんなタイミングで生まれたアイデアなんですか?

 

深緑さん:

なんのこっちゃって感じですよね。地球じゃない惑星で奇妙な現象が起こるとすると、何がいいかな?って考えていた時に、土のかけらがどんどん上に上がっていっちゃうっていう。

 

―――すごくリアルに描かれていたので、実際どこかで起きているんじゃないかと。

 

深緑さん:

わははは、起きてたら面白いですよね。見てみたい(笑)

 

―――短編は物語に余白があって、いいですよね。

 

深緑さん:

それは短編ならではっていうか。埋めてないからこそ楽しいみたいなところがあると思います。長編だと自分の言いたいことがいっぱい言えるんですけど、短編は限られてくる。いかに上手くまとめるかが勝負になってくる。その枚数だからこそできる技がある。短編を読む喜びをもうちょっといろんな人に知ってもらいたいなと思っています。

 

※まだ見ぬ物語の世界への扉を開く。本を読む楽しさを教えてくれる珠玉の短編集です。

■ひとこと

  

これは一粒で2度おいしいってやつですね!お得感満載な短編集だと思いました。確かに深緑さんは新刊が出るたびに、前作と全く違う雰囲気の作品だったりするので、驚くことが多かったのですが、本日のインタビューを聴き、納得。かなりのアイデアをお持ちの方なんですね。これからも様々なジャンルを書きまくって、私たちを驚かせてくれる存在になりそう。とにかく本書を一度読んで、深緑さんのどのあたりの作品が自分に合うか、ひとつの指標にもなりそうな一冊でした。それでは、また来週!

 

表紙が可愛い!

 

 

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