番組内容
静かな森の中にある、プライベート・ライブラリー「理想的本箱」。 あなたの漠然とした不安や悩み、好奇心に答えてくれる一冊を、この世に存在する数えきれない本の中から見つけてくれる、小さな図書館です。 これから長い人生を生きていくあなたに素敵なヒントを与えてくれる本を、あなたの心に寄り添って一緒に見つけてゆきます。
出演者
理想本棚主宰―吉岡里帆(俳優)
理想本棚司書―太田緑ロランス(俳優)
理想本棚選書家―幅允孝(ブックデレクタ―)
今回のテーマは
「宗教に悩んだ時に読む本」です。(2023.7.31放送)
(以下、放送内で語られたポイント部分をコンパクトに記載しています)
今週の3冊
「神様」のいる家で育ちました~宗教2世な私たち~:菊池真理子
・著者を含む7人の宗教2世がそれぞれがどんな信仰を持つ家で育ち、どんな体験をしたのか、当事者ならではの苦悩やそれぞれの選択についてが、分かりやすく描かれている。ノンフィクションコミック。
・この本の優れている点は、宗教理念や信仰を共有する難しさについて、家庭と言う最も小さなコミュニティを舞台に書いているっていうところが素晴らしいのではないかと。
・信仰と家族の間で悩み抜いた子どもたちの声。
宗教を「信じる」とはどういうことか:石川明人
・著者は大学の教授、宗教学者。自身はキリスト教者。
・科学の時代に神を信じるとはどういうことなのか。
・宗教という営みの曖昧さやわからなさと向き合う。
・宗教それ自体からにじみ出ている人間の矛盾とか限界を素直に見つめるという姿勢を大事にすることが最初の一歩になる。
・宗教の入門書としても。
ガダラの豚:中島らも
・著者は作家・ミュージシャン。
・全三部から構成されている。第一部が信仰宗教、二部はアフリカの呪術、三部は主人公の大学教授と呪術師の対決。
・人間は信じたいものを信じる。
・教祖に心酔していく様子などかなりグイグイ読ませる。
・オウム真理教の事件をを示唆する社会的な予見に満ちているエンタメ小説でもある。
・悲しみ続けるのは、生きた人間のすることじゃない。
後記
宗教の話は、友人、恋人であってもやはり話すのはちょっと難しいですよね。触れずに済むのならそれに越したことはないと。本日紹介のあった1冊目は、かなり具体的なケースがリアルに描かれているようです。「映像の帯」でチラッと耳に入りましたが、宗教によっては学校行事で参加できないものある....なんてことも。そのあたり宗教2世はどう感じていたのか.....ひとつひとつ知ることから始めるのに良い一冊であると感じました。それでは、また来週。
過去の放送分はこちらから。これまで様々なテーマが放送されました。
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オーダーメイドのライブラリーというコンセプトの番組です。ミニドラマ(映像の帯)や、朗読、くわえて解説で本の紹介するので、大変内容がつかみやすく、作品がぐっと身近に感じられる番組です。老若男女問わず、誰が見ても楽しめると思います。