えとせとら本棚

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【王様のブランチ・BOOK】白岩玄さんインタビュー<プリテンド・ファーザー>(2022年10月29日 )

 

王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。

 2022年10月29日こちら!!

■プリテンド・ファーザー:白岩玄

■内容

■著者について

1983年、京都府京都市生まれ。2004年『野ブタ。をプロデュース』で第41回文藝賞を受賞しデビュー。同作は第132回芥川賞候補作となり、テレビドラマ化される。他の著書に『空に唄う』『愛について』『未婚30』『R30の欲望スイッチ──欲しがらない若者の、本当の欲望』『ヒーロー!』『たてがみを捨てたライオンたち』、共著に『ミルクとコロナ』がある。(Amazonより)

 

■インタビュー

白岩さん:

いい父親のふりをしているんじゃないかっていうことも含めて、父親ってどういうものなんだろうということを、考え直すきっかけになった。

 

 

白岩さん:

僕、2児の父親で5歳の息子と2歳の娘がいる。自分では当たりまえに育児をしているつもりだったのに、周りから好感をもたれるために父親業をしているのではないか。母親である妻と比べて、自分は父親として自立しているのかっていうのが、自分でも怪しくて。なので、女性を抜きにした育児をしている男性2人を通して、父親の自立というものがどういうものなのか考えてみたかった。

 

白岩さん:

僕は(恭平と章吾)両方自分だという認識で、自分の中に問題なく育児が出来る自分と、子供のことを真剣に考えていない自分の二人がいる。その二人が対話するような感じで書いていった。

 

―――ちょっと扉を開けるだけで育児の奥深さとかをリアルに実感できた。

 

白岩さん:

小説って大人が子どもにセリフを言わせることが出来る。なるべく嘘にならないように意識した。「死んだら骨になるんだよ?」ってセリフは、実際息子が僕に言った言葉で、ドキッとした。自分の普段の生活で得た言葉がたくさん入っている小説なんです。

 

―――志乃ちゃんが大人になっていく上で、生きづらい世の中にはしたくないっていう、熱い思いが良すぎて...。

 

白岩さん:

イクメンという言葉が世に広がって、それが定着しているとは思うんですけど、イクメンという言葉があるゆえに、それ以上先にいけない感があって、そろそろ時代的にもイクメンではなく、ひとりの父親として存在することを求められている感じがしていて、そのために何ができるかというのをこの作品の中で考えた。

 

*思わず誰かと語り合いたくなる物語です。

 

■感想

題材がとても良いなって思いました。そうですよね、「イクメン、イクメン」って結構言われていますからね。女性の育児は当たり前の世の中ですが、そろそろ男性が育児をすることも当たり前になって、女性と同じように育児に関する葛藤なんかを経験することはとても良いこと。シングルファーザーの小説はこれまで結構あったけど、それとはまた違った「現役」「現場」感が表現されていそうですね。これから育児を控えている方、最中の方は必読かもです。

それでは、また来週!

 

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■本日取り上げられた書籍 の一部

ええかげんが大切!?

 

心を癒す71の言葉の処方箋