王様のブランチのBOOKコーナーの作家インタビューの内容をまとめています。
ファラオの密室:白川尚史
インタビュー
―――投資家、経営者、そして小説家という三足のわらじですけど、そもそもどうして小説を書こうと思ったんですか?
白川さん:
何を最初に興味を持ったかと言うと小説家かなと思って、ただ実際書いてみるとなったのはつい最近。起業したり、落ち着いて来た段階で、じゃ、ちょっと書いてみようかなとなったのが2020年末。そういったタイミングになります。
―――物語に選んだのは古代エジプト。
白川さん:
舞台を魅力あふれる未知のものにしたいなと思っていて、なんとなくイメージはあるけれども深くは知らなくてロマンがある場所はどこだろうって考えて、古代エジプトに行き着いた。
―――古代エジプトの知識とか全くなかったんですけど、気づいたら自分が古代エジプトに居て、没入しながら読んでいて、すごく楽しかったです。
ミイラとなった主人公が、3日間で心臓を探し出す、このテーマを設けようと思ったきっかけは?
白川さん:
本っていうのは買うまで中身がわからない。ってなった時に読む前から面白そうだなって思ってもらうことがすごく大事。ミイラが蘇ってくる、ある意味死に直すために自分の心臓を探すっていうのは、自分でもちょっと読んでみたいなって思う。
―――3日間...え、時間全然ないじゃん...みたいな。
白川さん:
物語に緊迫感が欲しいのもありますし、あえて3日に。重要なイベントがその3日詰まるように書きました。
白川さん:
自分自身に起こった身の危険から始まって、世界全体を揺るがす大事件に発展していくっていうのは、王道で面白いなと思った。
―――本当に2つの事件がつながった時、「わぁ~すっごい」と感じた。
白川さん:
自分が読んでいてこうなって欲しいなっていう展開が書けたと思っている。そこはすごく全力を出せた。ピタッとはまったような感覚がありますね。
―――ひとこと、非常に面白かったです。
*果たしてセフィは全ての謎を解き、心臓を取り戻すことが出来るのか?
ひとこと
やぁ~この小説の面白さはもちろんですが、サクッと書いたっぽい白川さんが一番すごいというか。お話を聴いていると、どういう本が売れるのか、などしっかり書く前から頭に描いている。このあたりはやはり経営者の経験を活かしているみたですね。書くだけでない目線もしっかりお持ちです。そして、自分の仕事がひと段落したころに、小説を書いて、それがあっという間に「このミステリーがすごい」の大賞となる。すごい。いくつもの才能をお持ちの白川さん。今後の活躍がますます楽しみです。あ、この本、かなり面白そうです。インタビュアーの方、心の底から面白かったって、伝わりました。
白川尚史プロフィール
1989年、神奈川県横浜市生まれ。東京都渋谷区在住。弁理士。東京大学工学部卒業。在学中は松尾研究室に所属し、機械学習を学ぶ。2012年に株式会社AppReSearch(現 株式会社PKSHA Technology)を設立し、代表取締役に就任。2020年に退任し、現マネックスグループ取締役兼執行役。