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【王様のブランチ】歌野晶午さんインタビュー<それは令和のことでした、>(2024年5月4日 )

 

王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。

 

それは令和のことでした、

それは令和のことでした、

インタビュー

 

―――8作品すべて違うアプローチをされているじゃないですか。だから毎回騙されました。

 

歌野さん:

全部違った驚きですよね。読んだ感じが違うようにしようというのは、最初から決めていたので、そう言ってもらえると嬉しいです。

 

 

 

―――いき過ぎた価値観や実際にある状況をミステリーに組み込むときに意識したことはありますか?

 

歌野さん:

どうやってリアリティを出すかが一番難しい。基本的に人に取材することはあまりない。というのも、人に話を聴いて情報を得ると、すごい影響されてしまう。かと言って、全てのことを自分で体験できるわけではない。想像によっている部分が非常に多い。想像だけでどれだけもっともらしいことを書けるかのが難しい。

 

―――ラスト1行で「ええ!」って声が出てしまったんですけど、騙されない人いないんじゃないかなって思ったんですが。

 

歌野さん:

一発芸みたいな感じなんで、まぁ無理かなと思ってアイデアは置いておいた。近年になってそういう問題がテレビなんかで言われるようになり、今が使い時かな。本当は最後の1行で明かさないで、もっと前に明かすような感じで書いてたんだけど、最後の1行に持っていったら格好いいなと思って書き直した。

 

(タイトルについて)

点があるってことは、続きがあるんですよ。今の世界を書くと、時間が経ったら全部内容が古くなる。令和と言う時代が昔あって、その時こういう事件が起きていたんだよ、そういう意味でタイトルを付けました。

 

 

 

ひとこと

今週もまたまた「どんでん返し」系の作品のようです。続きますねぇ~。

作品作る上でどの作家さんも必要であれば取材をされているのかと思っていましたが、歌野さんがおっしゃる通り、情報に影響をがっつり受けてしまうパターンもあり得る。そのあたりの匙加減って本当に難しそうですよねぇ。本作は装丁画もタイトルも手に取ってみたくなる雰囲気ですよね。それでは、また来週。

歌野晶午プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2003年『葉桜の季節に君を想うということ』で「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」でともに第1位、第57回日本推理作家協会賞(長編および連作短編部門)、第4回本格ミステリ大賞を受賞。10年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。