毎週土曜日に掲載されている朝日新聞書評欄から、気になったものをピックアップして掲載しています。毎週、幅広いジャンルが紹介されていますが、あくまでも私自身が「気になる」という視点で選んでいます。読書リスト的なページです。
今週はどんな本が登場しているのでしょうか?見て行きましょう。
1冊目です。
すべて内なるものは:エドウィージ・ダンティカ
書評はいとうせいこう(作家・クリエーター)さん。
ダンティカの小説に出てくる人々がほぼ必ず傷ついていることの意味がよくわかる。そして傷を他人に癒やしてもらうことを嫌悪し、すっくと立とうとしながら出来ない悔しさに貫かれている意味も。
むろんだからといって個人が歴史を代表するのではない。あくまでも描かれる個人はその人間独特の生の中にさまよう。だが時にそこにあらわれる一瞬の輝きが、彼らハイチ人の長い苦悩から来るように見える。そこで小説は時を超える。━━書評一部引用。
「BOOK」データベースより
異郷に暮らしながら、故国を想いつづける人びとの、愛と喪失の物語。四半世紀にわたり、アメリカ文学の中心で、ひとりの移民女性としてリリカルで静謐な物語をつむぐ、ハイチ系作家の最新作品集、その円熟の境地。全米批評家協会賞小説部門受賞作!
2冊目です。
父 Mon Pere:辻仁成
「 辛島ディビッドが薦める文庫この新刊!」に掲載されていました・
大切な記憶が揺らぐとき、人はどう変わるのか。多彩な登場人物を通して普遍的なテーマが探求される。━書評一部引用
Amazonより
パパと生きてきた。ここ、パリで──。
パリで生まれ育った「ぼく」は、ママを事故で亡くして以来、この街でパパと二人きりで生きてきた。だが、七十歳を過ぎたパパに、健忘症の症状が出始める。彼が迷子になるたびに、仕事中であろうと、真夜中だろうと、街を駆けずり回ることに。一方で、結婚を迫ってくる恋人との関係にも頭を悩ませていた。実はぼくらの始まりには、両親の過去が深く関わっていて──。家族と愛を巡る運命の物語。
3冊目です。
チーム・オベリベリ:乃南アサ
書評は大矢博子(書評家)さん。
カネの印象的な言葉がある。「私たちの代が、耐えて、耐えて、この土地の捨て石になるつもりでやっていかなければ、この土地は、そう容易(たやす)くは私たちを受け入れてはくれない」
覚悟とは、こういうことだ。その言葉通り、晩成社は解散する。しかし彼らが広大な原野に記した最初の一鍬(くわ)が、今の帯広の礎になったことは間違いない。先の見えないコロナ禍の中、未体験の日々に戸惑う今の世が、どこかオベリベリの開拓団に重なって見えた。私たちにカネのような芯はあるだろうか。━━━━書評一部引用
「BOOK」データベースより
約140年前、その女性は、北海道十勝の原野へ渡った。オベリベリ―和人たちによって「帯広」とされた新天地。明治の先進教育を受けた彼女は、いかに生き抜こうとしたのか。開拓に身を投じた実在の若者たちを基にした、著者が初めて挑む長篇リアル・フィクション。
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先週は書評欄、お休みだったようです。1週あきましたが、今週は、ハイチ、パリ、北海道へと。いきなりあちこちに飛びましたねぇ!(笑)
コロナの生活も早半年が過ぎ、おまけに猛暑となったこの夏。うちの中でも熱中症、外はコロナと熱中症。いやぁ、本当にどこまでも命の危険に晒された夏になってしまいました。まだまだ暑さが続くようです。みなさん、くれぐれもお気をつけください。
ということで、今週はここまで。それではまた来週!