王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2020年9月12日分はこちら!!
今週の特集は金原ひとみさんの「fishy」です。
fishy:金原ひとみ
■内容
友愛でも共感でもなく、この刹那に集う女たち。作家志望のライター美玖、共働きで女性誌の編集をつづける弓子、インテリアデザイナーのユリ。
都内きってのナンパ街となった銀座のコリドーで、三人は互いのプライベートに踏み込まない距離感を保ちながら、この場かぎりの「ともだち」として付き合いをつづけている。気ままな飲みともだちに見えるが、彼女たちが抱える虚無は、仕事でもプライベートでも、それぞれに深い。
結婚したばかりの男に思いを寄せ、不倫によって日常が一変する美玖。サレ妻となった弓子は、夫の監視に疲弊しながら仕事と家庭と自尊心を守ることに必死だ。ユリの生活はリア充に映るが、まったく不透明で真実を見通すことができない。
愚かしく、狂おしく、密やかに――彼女たちの日常にひそむ罠と闇と微かな光。女性の生き辛さと新たな連帯をを鮮やかに切りとる著者の到達点。━━Amazon出版社コメントより
■著者について
1983(昭和58)年、東京生れ。2003(平成15)年『蛇にピアス』ですばる文学賞。翌年、同作で芥川賞を受賞。2010年『TRIP TRAP』で織田作之助賞、2012年『マザーズ』でドゥマゴ文学賞を受賞。
金原さん:
fishyはうさんくさい、嘘くさいという意味なんですけど、、やり取りの中に嘘があるかもしれないし、関係性にも嘘があるかもしれない。何こいつら、なんで一緒に居られるの?っていう、彼女たちの関係性を表している。
本作を執筆するきっかけは6年間移住していたフランスとの出会い
金原さん:
私自身、フランスに移住していたんですね。これまでの生活では知り合えない人たちと知り合うことができて。全く本を読まない人と話す機会があったんですね。こういう人たちってどういう人なのかなって思いながら付き合っていくなかで、人として好きじゃないけど、すごく仲が良い友達ができた(笑)食の趣味とか、お酒の趣味は合うくらいの感じで、飲むと楽しいみたいな。それをヒントにした。
今作のテーマである「友達」。
名前を与えた瞬間に壊れてしまうような関係って実際あるよなって。その繊細さは今の人にとって重要なんじゃないかなっていう意味で自分自身腑に落ちた。
人間関係の在り方について問いかける一冊です。
<感想>
大なり小なり、こういう歪な関係性って誰もが経験しているんじゃないかな。本書の3人の女性たちが最終的にどんな形になっているのか、とても気になります。金原さんの作品、久々に読んでみたくなりました。
それではまた来週!
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