えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【ラジオ】湖の女たち:吉田修一<中瀬ゆかりのブックソムリエ>2020年11月12日放送 

 

 

ニッポン放送あなたとハッピー!2020年11月12日放送分

 

新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナーで紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。

 

 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!

 

毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?

早速見て行きましょう。

 

湖の女たち:吉田修一

 

 

 

■著者略歴

長崎県生まれ。1997年、「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞し、デビュー。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を受賞。2007年『悪人』で第34回大佛次郎賞と第61回毎日出版文化賞を受賞。2010年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞、2019年『国宝』で第69回芸術選奨文部科学大臣賞、第14回中央公論文芸賞を受賞した。2016年より芥川賞選考委員を務める━━「 BOOK著者紹介情報」より

  

内容

琵琶湖近くの介護療養施設で、百歳の男が殺された。捜査で出会った男と女―謎が広がり深まる中、刑事と容疑者だった二人は、離れられなくなっていく。一方、事件を取材する記者は、死亡した男の過去に興味を抱き旧満州を訪ねるが…。昭和から令和へ、日本人が心の底に堆積させた「原罪」を炙りだす、慟哭の長編ミステリ。━「BOOK」データベースより

 

 

 

 今週は小説です。

 

中瀬さん:

私も個人的にファンで、作品は全部読ませていただいてますけれども、今回の本もまためちゃくちゃ面白かったんですよね。連載中も過激なテーマと怒涛の展開で読者がざわついてまして、非常に問題作として反響があった。この中にはいろいろなテーマが入っていて、SMっていうと言葉が軽くなるんだけど、被虐と嗜虐が混ざり合った関係性がものすごくエロティックに出て来る、読んでてドキドキ、ハラハラ、手がベトベトになって来ましたよ(笑)汗ばんじゃって、興奮して。

 

吉田作品の一つの特性として例えばいろんな悪とか、人間の愚かな行動とかを書くんですが、すごくリアルティがある。いつ自分や隣の人に起こってもおかしくない、絵空事ではない世界として書くのが最高に上手い。

  

(ここで内容を説明)

 

中瀬さん:

タイトルに込められたメッセージなどもあって、ラストはちょっと「おぉおおお」みたいな感じの、、、ええ。一気読みですね。これ。分厚くもないので一晩で止めるのは難しいと思いますよ。読み始めたら止まらい感じ。

 

ここで垣山さんが「吉田さんは・・・・まぁ変態ですよね」

 

中瀬さん:

(大爆笑)ここまで書けるのはねぇ。こんなこと思いつかないし、こんな描写できないですよね。

 

(もし映像化するとしたら・・という話題)

 

中瀬さん:

キャスティングも考え抜いて欲しいし、あの二人のあのシーンはどう描かれるか、この会話がどう描かれるか、もうドキドキしちゃいますよね。

 

上質なミステリでありながら、エロチックな一種倒錯的なラブロマンスというか、恋愛のカタチにも読む手が止まらない。この二つの太いロープで読者がグイグイ引っ張られて行く感じ。

 

本当に吉田さんって毎回すごいなって思うんですけど、またやってくれた。嬉しくもあり、怖くもある。次また何を書くんだろう?っていっつも注目してます。

 

湖の女たち

湖の女たち

 

 

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「5時に夢中!」でも中瀬さん、この本をおすすめしていました。やぁ、2度の紹介を聴き、今一番読みたい本になりました(笑)今回はカッキーもノリノリで紹介されていたものなぁ。これは期待の一冊です!!

 

次回のブックソムリエの告知はありませんでしたが、11月19日、きっとやるでしょう(笑)。

 

★過去のラジオ棚はこちらです。

 

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中瀬さんはTOKYOMXTVの5時に夢中!でもエンタメ番付のコーナーをお持ちで、そちらで紹介された本や映画も、姉妹サイトうずまきぐ~るぐるで紹介してますので、合わせてお楽しみください。

ではまた!