王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2021年年5月15日分はこちら!!
今週の特集は「男の子になりたかった女の子になりたっかった女の子」松田青子さんです。
男の子になりたかった女の子になりたっかった女の子:松田青子
■内容
「私の生理ってきれいだったんだ」
『おばちゃんたちのいるところ』が世界中で大反響の松田青子が贈る、はりつめた毎日に魔法をかける最新短編集。
コロナ禍で子どもを連れて逃げた母親、つねに真っ赤なアイシャドウをつけて働く中年女性、いつまでも“身を固めない” 娘の隠れた才能……あなたを救う“非常口”はここ。━━Amazonより
■著者について
1979年兵庫県生まれ。作家、翻訳家。同志社大学文学部英文学科卒業。著書に『スタッキング可能』『英子の森』『ワイルドフラワーの見えない一年』『おばちゃんたちのいるところ』、エッセイ集に『読めよ、さらば憂いなし』『ロマンティックあげない』、訳書にカレン・ラッセル『狼少女たちの聖ルーシー寮』『レモン畑の吸血鬼』、アメリア・グレイ『AM/PM』、ジャッキー・フレミング『問題だらけの女性たち』などがある。━新潮社著者プロフィールより
松田さん:
小説を書く上で大事なのは、私がちゃんと生活して、私が色々感じて思ってみることだと思うんですね。
━━━━実体験も盛り込まれている?
松田さん:
そうですね。はい。
ここで「ゼリーのエース」という短編の紹介。これは谷崎潤一郎の代表作「細雪」をオマージュしたもの。
松田さん:
女性たちが嫁ぐ先を見つけるのが大変という話。その時に「身を固める」という言葉があるじゃないですか。この言葉はスゴイなと思って。結婚しなかったら身体が固まっていないっていう、半人前の状態と言っているのと同じで、身が固まらないゼリーの女の子の話にした。
フレーズに違和感を感じた時にそこから物語にする。
━━━━今まで感じてた生きづらさだったり、ちょっとした固定観念が、この本を読んですっと軽くなった。
松田さん:
嫌だなと思いながらなぜ嫌なのか、なぜこれ(ブルマー)を履かないといけないのかというところまで、意識がいかなかった。大人になって「本当にムカつくーーー」と言う気持ちになって。その時、自分がしんどいと思ったり、辛い...ダメだとなっても、時が経ったときにこういうことだったんだと理解することもできるのが一つの希望。
━━━11通りの生きづらさを感じ女性たちのリアル。 物語に込めた思いは?
松田さん:
コロナ禍で物理的に人に会えなかったり、会うことに罪悪感を感じてしまったりするような状態で、ひとこと言葉を交わしただけの人とかでも、そこには緩い繋がりが存在すると思うんですね。それがひとつの希望だとなんとなくでいいので伝わったら嬉しいなと思います。
生きづらさからの解放を描いた短編集です。
<感想>
松田青子さんはデビュー作を読みましたが、ちょっと不思議な雰囲気を書く方だなぁという印象が強い。今日紹介のあった「ゼリーのエース」のように、言葉の違和感から物語が生まれるとのこと、松田さんの世界観がちょっと理解できた気がしました。面白そうな短編集!松田さんが谷崎が好きと言うのも意外な発見でした。
それではまた来週!
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