えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【ラジオ】小説8050です!<中瀬ゆかりのブックソムリエ> 2021年5月13日放送 

 

ニッポン放送あなたとハッピー!2021年5月13日放送分

 

新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナーで紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。

 

 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!

 

毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?

早速見て行きましょう。

 

小説8050:林真理子

 

 

■著者略歴

1954(昭和29)年、山梨県に生まれる。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍。82年のエッセイ集「ルンルンを買っておうちに帰ろ う」がベストセラーとなる。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞を受賞。95年「白蓮れんれん」で第8回柴田錬三郎賞、98年「み んなの秘密」で第32回吉川英治文学賞を受賞━━━「BOOK著者紹介情報」より

内容

一気読み必至のストーリーに、各界から絶賛コメント続々
・三浦友和さん(俳優)
「息子や妻を本当に理解できているのか?自分を重ねてのめり込んだ」
・大島美幸さん(森三中)
「ただただ苦しい。自分の中学時代とリンクし、記憶が蘇る。悔し涙が止まらない」
・尾木直樹さん(尾木ママ/教育評論家)
「強烈な写実(リアル)に心震え、希望に涙。林文学の真骨頂!」

このままでは我が子を手にかけ、自分も死ぬしかない――。

従順な妻と優秀な娘にめぐまれ、完璧な人生を送っているように見える大澤正樹には秘密がある。有名中学に合格し、医師を目指していたはずの長男の翔太が、七年間も部屋に引きこもったままなのだ。夜中に家中を徘徊する黒い影。次は、窓ガラスでなく自分が壊される――。
「引きこもり100万人時代」に必読の絶望と再生の物語。━━Amazonより

 

 

 

中瀬さん:

 週刊新潮の連載だったんですけれども、連載中にこんなに読者が反応したことがないくらい、電話や手紙が押し寄せて。涙なくしては読めないとか、我が家のことかと思うほどの臨場感だとか、単行本いつになるんですか?という問い合わせがいろんな年代の方から殺到。特に70歳、80歳くらいの方が多かったんですよ。自分ちがとか、隣の家がとか、必ず誰かがこういう状態になってるという切実な問題。

 

4月28日に発売したんですけれども、即重版重版で、10日くらいで7万部突破して、品切れ状態になっているぐらい読まれている。こちらもこの反応に驚いている状態。

 

これ、林さんがね、元農水省の事務次官のひきこもりの息子が人様に迷惑かけるんじゃないかと殺してしまった事件がありましたよね。あの問題に凄くインスパイアを受けて、つまり誰しもが他人事じゃないと、子育てってちゃんとしていたつもりでも、こういう風になるケースもある。もちろん虐待とか親の問題もあるけれども、ごくごく普通に育てているつもりなのになんでこんなことに?っていうことで、林さんも子をもつ親として他人事じゃない話だってところから書かれた。

 

(ここであらすじ紹介)

 

中瀬さん:

「絶望と再生の物語」ということでが、林さんは絶望の小説であってはいけないというポリシーがあって、いかに絶望から抜け出そうとするかもがくわけですよ。親は何ができるのか?それは簡単なことではなく、そこには葛藤があるんですけど.....、その中で夫婦の関係も変わって行く。

 

もう息をつく暇もなく展開していく。小説としてすごい迫力がある。

 

小説8050

小説8050

  • 作者:林 真理子
  • 発売日: 2021/04/28
  • メディア: 単行本
 

 

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<感想>

重いテーマの小説ですよね。かなりの反響があったとのことで、それだけ大きな社会問題になりつつあるのでしょう。これに続きその下の世代7040問題も。いろんな社会の歪が家庭をむしばんでいく感じがなんとも複雑です。

 それでは、また来週!?

 

★過去のラジオ棚はこちらです。

 

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中瀬さんはこちらの番組でもエンタメ番付のコーナーをお持ちです。姉妹サイトうずまきぐ~るぐるで紹介してますので、合わせてお楽しみください。

ではまた!