えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【ラジオ】躁鬱大学:坂口恭平<中瀬ゆかりのブックソムリエ> 2021年5月20日放送 

 

ニッポン放送あなたとハッピー!2021年5月20日放送分

 

新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナーで紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。

 

 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!

 

毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?

早速見て行きましょう。

 

躁鬱大学-気分の波で悩んでいるのは、あなただけではありません:坂口恭平

 

 

■著者略歴

1978年、熊本生まれ。2001年、早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家・作家・絵描き・踊り手・歌い手。2011年5月、新政府を樹立し、初代内閣総理大臣に就任。写真集に『0円ハウス』(リトルモア)、著書に『TOKYO0円ハウス0円生活』(河出文庫)、『隅田川のエジソン』(幻冬舎文庫)、『TOKYO一坪遺産』(春秋社)、『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』(太田出版)、『独立国家のつくりかた』(講談社現代新書)━━Amazonより

内容

誰にも言えない悩みだと思っていたのに、そうじゃなかった?! 31歳で躁鬱病と診断され、気分の浮き沈みの激しさに苦しんでいた僕がみつけた、ラクに愉快に生きる技術。みんな、人からどう見られるかだけを悩んでいる。鬱のどうにもならない落ちこみ、自己否定をどう扱うか。はたまた躁の周囲を疲れさせてしまうほどに過剰なエネルギーをどうするか。自らの経験をもとに、ユーモアあふれる対処法を徹底講義!━━Amazonより

 

 

 

中瀬さん:

 坂口さんはたくさん本も出されていて、熱狂的なファンを持つ方なんですけど、この新刊はnoteというWEBサイトから修正を加え書籍化されたもの。

 

坂口さんは31歳の時に躁うつ病と診断され、試行錯誤重ねる中で見つけた自分の気分の浮き沈みとの付き合い方をまとめた1冊。大学ってことでちょっと講義調に書かれている。勝手に「大学」って付けましたと。

 

躁うつ病の人が生きて行くためには、他の人とはちっと違った技術が必要なんで....ってことでそのヒントが。私は自分で躁うつ病という自覚もないし、いきなりワーッとなったり、落ち込んだりすることはないなって思ってたんですけれども、この本を読んでいたら、自分のなかにもそういう部分ってあるなーって、そういった気分の波って誰にでもあるじゃないですか。病名としてそれがついていないだけで、その気質と言うのはやっぱり自分にもあると思ったんですね。

 

坂口さんはいろんなお医者さんの言葉などがなんか違うなって。ある日「神田橋語録」と言うのに辿り着くんですね。精神科医の神田橋さんという方の語録なんですけれども、これはネット上にも語録があるんで見ていただきたいんですけど、それを拾いながらこの講義が始まっている。非常にいいことを神田橋さんがおっしゃっている。

 

坂口さんは最初は「躁うつ病の人」って言う風に書いているんですけど、途中から書くの面倒くさいし「躁鬱人」でいいやと、躁鬱人と非躁鬱人とし、躁鬱人はこうなんですよってことで、自分の経験を踏まえて色々書いている。

 

(ここで垣花さんが自身が躁鬱人に当てはまると自己診断をはじめる)

 

 

 

中瀬さん:

この本の重要な肝なんですけど、悩みについて調べているんですよ。いのちの電話にかかってくる年間2千人くらいの人をお相手して、10年やっているんで2万人ぐらいの人の悩みを聞いてきた坂口さん。人間の悩みっていうのは「人からどう見られるかって言うことだけを人は悩んでいる」ってことに到達するんです。自分がっていうよりは、人がどう見ているんだってことで。誰もがそうである生理現象みたいなものだけれども、それに気づかず、自分だけが気にしているみたいになっている。そんなの全員なんだからまずはそこから。吐きだす機会を増やしていくことですごく楽になるっていう、みんななんだよ、全員なんだよってことをまず知ろうと。

 

自分は躁うつ病ではないからと他人事だと思ってこの本を手に取ると、ちょっともったいくらいの人生のヒントがいっぱいあって、特に坂口さんが歩んで来た人生のダイジェストのようなね、文章があるんですけど、これがまた凄まじいというか、すごく面白いんですよ。

 

理解者とお金さえあれば、あとはなんでもいいんじゃないかと。お金も生活していけるお金と、あとはたくさんの理解者は必要なく一人で良いとか、そこらへんのところを押さえて行けば....とかの話などね。(ここで2-3個の例話を挟む)

  

非常に私も勉強になりました。気分の波をちょっとでも感じたり、悩みがちょっとでもある人には、みんなにこの大学に入学してもらったら効くなって、ユーモアもあって、ご自分のことを赤裸々に書いていらっしるので読んでいて刺さりますね。

 

躁鬱大学: 気分の波で悩んでいるのは、あなただけではありません

躁鬱大学: 気分の波で悩んでいるのは、あなただけではありません

  • 作者:坂口 恭平
  • 発売日: 2021/04/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

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<感想>

 今日は本の紹介しながら、垣花さんがちょこちょこ自己分析に走っていました(笑)「神田橋語録」気になりますね。早速、読みに行こうと思います。なんやかんや、メンタルの安定は生きて行く上ではとても大切。すこしでも気持ちが楽になれる方法があるのならば、どんどん活用していきたいものです。

それでは、また来週!

 

★過去のラジオ棚はこちらです。

 

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中瀬さんはこちらの番組でもエンタメ番付のコーナーをお持ちです。姉妹サイトうずまきぐ~るぐるで紹介してますので、合わせてお楽しみください。

ではまた!