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<中瀬ゆかりのブックソムリエ2023>街とその不確かな壁:村上春樹(2023年5月18日) 

 

<中瀬ゆかりのブックソムリエ2023>街とその不確かな壁:村上春樹著を紹介。

ニッポン放送あなたとハッピー!2023年5月日18放送分

新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナー紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!

毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?早速見て行きましょう。 

街とその不確かな壁:村上春樹

作品内容

 

 

放送内容

以下、番組内の話の要点になる部分を簡潔に載せています。

 

・現在40万部の売り上げ。6年ぶり1200枚長編小説。

・40年以上書籍化を封印してきた幻の小説が原型になっている。「街と、その不確かな壁」という「、」が付いたものがあった。春樹ファンにとって幻の作品として有名。

・春樹さんは「当時は書き方がなっていなかった」とおっしゃっている。

3部構成。物語の全体は「喪失」が覆っている。

・「喪失」を知る人間、100%心を焦がすよう誰かを愛してしまった人間の哀しさ、愛しすぎたことの哀しさ、そういうこともすごく伝わって来て、泣きながら読んだ。

・春樹ワールド全てが散見できる。はじめて村上春樹を読む人に最適な作品とも言われている。すごく読み易い。グイグイ引き込まれる。

・これを読むと過去の村上作品も必ず読み直したくなる。

春樹さんの心の奥底にある物語が出てきている感じがする。

小説のあとがきを珍しく書いている。(いつもあまり書かない)

・この作品はコロナ禍の3年間に書いたもの。

・同じようなテーマであっても、こんなに色々な形で物語として面白いものが書ける、村上春樹さんがここまで支持される理由だなってことを再確認した。非常に素晴らしい小説。

村上春樹プロフィール

1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。1979年、『風の歌を聴け』でデビュー、群像新人文学賞受賞。主著に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『ノルウェイの森』、『アンダーグラウンド』、『スプートニクの恋人』、『神の子どもたちはみな踊る』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』など。『レイモンド・カーヴァー全集』、『心臓を貫かれて』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『ロング・グッドバイ』など訳書も多数。

(Amazonプロフィールより)

感想

はーそうですか。村上作品は新刊が出るたびに大騒ぎなっていますが、自分はいつもそれを横目で見ていたって感じで、今回もそうでした。しかし、やはり中瀬さんの話を聴くと、めちゃくちゃ読みたくなってしまう。今回は読み易いそうだし、これは久しぶりいに読んでみようって気になりました。古い作品も読みたくなるような話もありましたが、本棚の奥の奥にあるだろう村上さんの古い作品も引っ張り出してこなきゃ、いや、図書館で借りた方が探すより早いかも?なんてことまで考えてしまいました(笑)それでは、また来週。

 

今回、幻の作品が再びって感じで登場したようですが、そこで思い出したのがこの本。村上氏の書くことについての真摯な姿勢がよく解る一冊なんだけど、今回の作品がこのような形で出て来たのも、なんか納得するものがありました。「当時は書き方がなっていなかった」って言う村上氏。ずっとその思いがあったのだろうな。それでもちゃんと仕上げてくるあたりこそが、村上さんの真面目さなんだろうと。

【レビュー】職業としての小説家:村上春樹

www.readingkbird.com

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中瀬さんはこちらの番組でもエンタメ番付のコーナーをお持ちです。姉妹サイトうずまきぐ~るぐるで紹介してますので、合わせてお楽しみください。