毎週土曜日に掲載されている朝日新聞書評欄から、気になったものをピックアップして掲載しています。毎週、幅広いジャンルが紹介されていますが、あくまでも私自身が「気になる」という視点で選んでいます。読書リスト的なページです。
今週はどんな本が登場しているのでしょうか?見て行きましょう。
一冊目はこれ!
カメの甲羅はあばら骨:川崎悟司
やはや、タイトルもインパクトがありますが、この装丁画も「なんじゃ、これ?」と、目を引きますねぇ。内容が見えない感じが気になる度を上げてくれました。
書評は黒沢大陸氏(本社大阪科学医療部長)。
動物たちは生体に適した合理的な身体つきになっている。これは想像がつく。空を飛んだり、地面を掘ったり、速く走ったり。この本はそんなことが出来る骨格や筋肉の構造などを絵を見ながら学んでいくといった感じのようです。わかりやすいとのこと。
あと、小さな驚きも楽しいそう。書評を拝読していると、一時流行ったちょっとシュールな「豆しば」のCMを思い出しました。なにはともあれ、本屋でこの本を見かけたら素通りは出来ないでしょうねぇ。かなり気になっています。
「えっ! カメの甲羅って人間のあばらなの?」
「フラミンゴの逆に曲がった膝の部分は人間でいう足首!?」
図鑑や動物園の解説でなんとなく知ってはいるけど、いまいちピンとこない動物の体のしくみ。そんな動物の体の構造を、私たちヒトのからだを無理やり変形させることで、わかりやすくしてみました。カメの甲羅、ゾウの鼻、コウモリの手……おなじみの動物たちの体の一部が直感的によくわかる!まったく新しい「体感型」動物図鑑です! Amazon内容紹介より
2冊目です。
遠の眠りの:谷崎由依
こちらは、現在進行形で私も読んでいます。
書評は文芸評論家の斉藤美奈子さん。
大正から昭和の女性の話。
朝を信じた夜明け前の人々の物語
斎藤さんはこんな風にこの物語をまとめている。
女工、モダニズム、活字、恋愛等々、好奇心をそそられるワードが書評に散りばめられていました。このあたりの言葉が刺さる方は読んで損はないのではないかな。ただし本書は「シンデレラストーリーとは無縁の物語である」と斉藤さんはおっしゃっています。
大正末期、貧しい農家に生まれた少女・絵子は、農作業の合間に本を読むのが生きがいだったが、女学校に進むことは到底叶わず、家を追い出されて女工として働いていた。ある日、市内に初めて開業した百貨店「えびす屋」に足を踏み入れ、ひょんなことから支配人と出会う。えびす屋では付属の劇場のため「少女歌劇団」の団員を募集していて、絵子は「お話係」として雇ってもらうことになった。ひときわ輝くキヨという娘役と仲良くなるが、実は、彼女は男の子であることを隠していて――。福井市にかつて実在した百貨店の「少女歌劇部」に着想を得て、一途に生きる少女の成長と、戦争に傾く時代を描く長編小説。Amazon内容紹介より
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三冊目はこれ。
八本脚の蝶:二階堂奥歯
新刊文庫のコーナーで紹介されていました。
私は単行本で読んだのですが、装丁画が鮮やかになりましたね。というか、この本が、文庫化されるとは夢にも思っていませんでした。いろんな意味で個性が強い印象があります。当時、私は半分ぐらいで挫折した記憶が・・・。
筆者のプロフィールを。
二階堂奥歯
1977年生まれ。早稲田大学第一文学部哲学科卒。編集者、レビュアー。2003年4月26日、自らの意志でこの世を去る
25歳で命を絶ったそうですね。死の直前まで書いていたというウェブ日記。とは言え、内容は多岐に渡り、おすすめしている山田航氏も言っていますが、「現実を超えた世界を描こうとする」というくらい、なんだかくらくらするものがあった。そこに耐え切れず脱落しましたが、読み切れなかったことへのモヤモヤ感が残っていたので、いつか気が向いたら再チャレンジしたいなーと思っています。
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今回はこれから読みたい本、今読んでいる本、昔挫折した本といった具合にピックアップ。挫折した本が、文庫本になるとなんとなくハードルが下がった感じがして、また読みたくなるものだなぁと感じました(笑)
今週はここまでです。