毎週土曜日に掲載されている朝日新聞書評欄から、気になったものをピックアップして掲載しています。毎週、幅広いジャンルが紹介されていますが、あくまでも私自身が「気になる」という視点で選んでいます。読書リスト的なページです。
今週はどんな本が登場しているのでしょうか?見て行きましょう。
一冊目はこれ!
美しい痕跡 手書きへの讃歌:フランチェスカ・ビアゼットン
書評は武田砂鉄(ライター)さん。
長らくしまっていた手書きの手紙が見つかった経験は誰しもある。あるいは「思ってもみないときに届く手書きの文章」、それは「時間をかけた旅」なのだ。短絡的であることや表層的であることさえも、便利なんだからそれでいいでしょ、と変換されて受容する社会にあって、わざわざ書く意味はいくつも残っている。
人と近くで接触してはならない、という日々が続く。非接触でこなす可能性が拡張していく現在だが、紙に触れて、文字を残して、誰かに届けるという所作の強度を思い知った。━━書評一部引用。
「BOOK」データベースより
書かれた文字の豊かさに魅せられ、自らも文字による表現の可能性を押し広げてきたイタリアのカリグラファー、フランチェスカ・ビアゼットン。長年の活動を通しめぐらせてきた思索と作品が一書となった。人が文字を書く姿への慈しみにみちた、ビアゼットンからのメッセージ。附録:ヴァチカンの書記たちが使ったカンチェッレレスカ体(イタリック体)の教本『ラ・オペリーナ』(1522)。本邦初訳。
2冊目です。
「カジュアル読書」のコーナーで紹介されていた本になります。
ねぇ、ママ?ぼくのお願い!:つんく♂
音楽プロデューサーのつんく♂さんが、初めて絵本づくりに挑んだそうで、発売前にメールインタビューをし、その内容が掲載されていました。
「手前味噌ではありますが、我が娘をひっぱりだして『ちょっとやって』と。結果、それも含めて良い作品になったなって思っています。━━━記事一部引用。
「ねぇ、ママ お願いがあるんだ」「なあに? 今日はいそがしいの」
なかなかお願いを口にしない「僕」にママはやきもき。つい大きな声を出してしまうが、「僕」にはある内緒があった。子どもから勇気と笑顔をもらえる「感動の絵本」。Amazon内容紹介より
三冊目はこれ。
ドラえもん論 ラジカルな「弱さ」の思想:杉田俊介
書評は温又柔(小説家)さん。
大好きだった漫画とアニメの生みの親から自分が受けた薫陶とは何だったのか解き明かされる興奮とともに、「『ドラえもん』がわたしたちの世界にあってくれてよかった。のび太がいてくれてよかった」と思わせてくれる一冊。今また、「人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことのできる」のび太のように、自分でもなく自分たちのものでもない存在のために涙を流せる「まっとうさ」こそが「いちばん人間にとってだいじなこと」なのだと嚙みしめる。━━━━書評一部引用
1969年の連載開始から半世紀にわたり、いまや世界中の子どもたちを魅了している『ドラえもん』。そこに込められた「弱さ」と「まっとうさ」にまつわるラジカルな思想。そして「大長編/映画版ドラえもん」で政治と宗教、科学と進化という大きく普遍的なテーマに取り組んだ藤子・F・不二雄の絶望と希望のメッセージを気鋭の批評家がひもとく!━━━━ Amazon内容紹介より
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今週はゆったりした時間に読みたい3冊でした。
緊急事態宣言は解除されましたが、まだまだ外出する気になれないので、図書館から借りてきた予約本を片っ端から読んで行く毎日になりそうです。そろそろ梅雨も始まることだしね。
ということで、今週はここまで。それではまた来週!