毎週土曜日に掲載されている朝日新聞書評欄から、気になったものをピックアップして掲載しています。毎週、幅広いジャンルが紹介されていますが、あくまでも私自身が「気になる」という視点で選んでいます。読書リスト的なページです。
今週はどんな本が登場しているのでしょうか?見て行きましょう。
1冊目です。
霧の彼方 須賀敦子:若松英輔
書評は宇野重規(東京大学教授・政治思想史)さん。
留学したフランスで失望し、道を見失いつつあったときにイタリアで新たな仲間たちを見いだした須賀が、「信仰」に求めたものは何であったのか。それはどのように結実したのか。
須賀の書いた文章を愛する読者はもちろん、ヨーロッパと日本の間で精神性を真摯に追い求めた一人の女性について知りたい人に薦めたい一冊である。━書評一部引用
「BOOK」データベースより
信仰と書物。それらの「コトバ」に彼女の「たましい」は燃え上がり、書くこと、生きること、祈ることはひとつになった。没後二十二年たっても読者を惹きつけてやまない作家、須賀敦子。その「霊性」に、同じ情熱をもって迫る本格評伝。
2冊目です。
食べることと出すこと:頭木弘樹
書評は黒沢大陸(朝日新聞大阪編集長補佐)さん。
排泄の失敗は、心理的ダメージが大きい。病院のトイレで漏らしたところに現れた若い女性の看護師。バケツと雑巾を渡され自分で始末した後、著者は「失感情症状態」になる。泣くも怒るも笑うもなく、病気の悲しささえも。 ━書評一部引用
Amazonより
個性的なカフカ研究者として知られる著者は、大学生のときに潰瘍性大腸炎という難病に襲われた。食事と排泄という「当たり前」が当たり前でなくなったとき、世界はどう変わったのか?
絶望的な日常と、絶望だけしているわけにはいかない日常。その狭間に漂う不思議なユーモア。
3冊目です。
本の読める場所を求めて:阿久津隆
書評は吉川一樹さん。
フヅクエで客に渡さられる超長文の「案内書きメニュー」を見ると、本を読む行為を守るための詳細なルールと、研究を重ねてたどりついた料金設定にうなる。めざすのは、読書する人同士が無言で敬意を表し合えるような「読書の公共圏」だ。━━━━書評一部引用
「BOOK」データベースより
本はあっても、読む場所がない!だから「心ゆくまで本の読める」店をつくった。「読書」を考えぬいた先に見えてきたものとは?
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そろそろ秋の読書を意識し、じっくり読み込めそうな本に引かれはじめました。とは言え、9月に入っても暑さは続いています。そして、大型台風も来ている状況。昔は台風が来たら「学校が休みになる!」なんて、ちょっとウキウキしたものですが、昨今の台風は命の危険を感じるほど。どうかみなさんご無事で。
ということで、今週はここまで。それではまた来週!