王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2020年6月20日分はこちら!!
昨日壊れはじめた世界で:香月夕花
■内容
三十年前にはわからなかった。世界が、ほんの小さなことで滅びはじめてしまうことを。幼馴染の翔子と再会した書店店主・大介は、忘れていた小学校時代の出来事を思い出す。同級生四人と忍び込んだ町で一番高いマンションの最上階。そこにいた不思議な男は、世界の終わりを予言した。三十年の時を経て、大介と翔子は謎の男を探し始めるが、男がマンションから飛び降りたという噂を耳にして……。ひび割れた世界のかすかな希望を力強く描く連作短篇集。━━━Amazonより
■著者略歴
1973年、大阪府出身。京都大学工学部卒業。2013年「水に立つ人」で第93回オール讀物新人賞を受賞。’16年、受賞作を含む短編集『水に立つ人』を刊行。
執筆の経験は幼い時の経験からとのこと。
近所に建った真新しいマンションに「眺めが良い」という噂を聞いて入り込んだという経験があるそう。不思議な男には出会わなかったけど、普通に叱られ、ごめんなさいと謝ったそう。その時に、普通に地面で暮らしている時と、全く違った世界が開けて行くみたいな感覚が鮮明に焼き付いた。それをいつか書けないかなと思っていたそうです。
読んだ人の感想は、読んでいる間ずっと不安、怖いが付き纏っていたそう。ホラーでもないのにそういう気持ちにさせられるのは、人生の嫌な部分を本当に丁寧に丁寧に、人に合わせて書いているからだそう。ラストも解りやすい「よかったね」ってものではないのに、希望が見えるのは逆にリアルに人生っぽいとのこと。
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子供のころから温めていたものを、大人になって小説にするって本当にスゴイですねぇ。香月さん、テレビ出演は今回が初めてだったそうです。これからの作品も期待できそうですよ。