えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【朝日新聞書評】2020年8月1日掲載分ピックアップ

 

 

毎週土曜日に掲載されている朝日新聞書評欄から、気になったものをピックアップして掲載しています。毎週、幅広いジャンルが紹介されていますが、あくまでも私自身が「気になる」という視点で選んでいます。読書リスト的なページです。

 

今週はどんな本が登場しているのでしょうか?見て行きましょう。

 

 

言葉の守り人:ホルヘ・ミゲル・ココム・ペッチ

 

 書評は温又柔(小説家)さん。

読者は、マヤ神話のモチーフ、マヤ思想に根づいた哲学、マヤ語による呪文やオノマトペがちりばめられた本書をめくれば、マヤの人々の「過去が現在と再会する」貴重な瞬間に立ち合うことができる。しかもその瞬間は、いまを生きる私たちの指針としてもきらりと光るものばかりだ。━━書評一部引用。

 

Amazonより

「ぼく」はある時、祖父のグレゴリオおじいさんに呼ばれ、マヤの伝承の語り手たる〈言葉の守り人〉に選ばれた。「ぼく」はおじいさんに連れられて、神々と精霊たちが棲まう森へ、夜ごと修行に出かけるようになる。
不思議な鳥たちとの邂逅、風の精霊の召喚儀式、蛇神の見せる夢と幻影の試練……「ぼく」は森の中で不思議な体験をしながら、おじいさんから〈言葉の守り人〉を継ぐために必要な、世界と言葉のもつ秘密を少しずつ教わっていく。
現代マヤ語文学を代表する作家ホルヘ・ミゲル・ココム・ペッチによる、神話の森を舞台に少年が受ける通過儀礼と成長を描いた、呪術的マヤ・ファンタジー。

 

やぁ~なんだか書評を読んでいるだけでもトキメクなぁと思える作品ではないですか。マヤのことは詳しく知らないけど、とても神秘的なイメージ。本書を読むと色々見えて来そう!

 

 

 

2冊目です。

こどもたちはまっている:荒井良二

 

 

 書評は最果タヒ(詩人)さん。

こども、というのは、世界に繊細に反応し続け、それそのものが「自分」の思いとして、信じられた時期のこと。だから世界の鮮やかさや驚き全てが、こどもたちを形作り、こどもたちそのものになる。その感触をこの本は大人たちにさえ思い出させる。━書評一部引用

  

Amazonより

今日も水平線から日が昇る。いつもの風景、季節の移ろい、突然の雨、特別な夜。繰り返す日々のなかで、みんな、いつもなにかを待っている。
船が通るのを、貨物列車を、雨上がりを、夜明けを……。
国内外で活躍する荒井良二の新しい代表作が誕生!

 

何故おとなになってもこどもの本が読みたくなるのか?あまり考えたことがなかったけど、タヒさんの書評を読み、その答えを見た気がします。このえほん、おとなも夏休みに読むと良さそうですねぇ。

 

 

 

破局:遠野遥

破局

破局

  • 作者:遠野遥
  • 発売日: 2020/07/04
  • メディア: Kindle版
 

 

  書評は武田砂鉄(ライター)さん。

陽介は、やたらと肉を食らう。突き放すように食う。他人に対しても、そして自分に対してもそんな態度だ。引き寄せては放り出す。価値を固定しようとする動きから、逃れようとする。どことなく虚無感に貫かれており、その虚無の中で何かしらが蠢(うごめ)いていることはわかるのだが、その正体をいつまでも発見させない。━━━━書評一部引用

 

Amazonより

私を阻むものは、私自身にほかならない――ラグビー、筋トレ、恋とセックス。ふたりの女を行き来する、いびつなキャンパスライフ。28歳の鬼才が放つ、新時代の虚無。【第163回芥川賞受賞作】2019年文藝賞でデビューした新鋭による第2作

 

レビューサイトを見ると、評価ははっきり分かれてるなぁと言う印象。同世代の方たち向けなのかしら?とチラッと思ったり。なんとなく又吉さんの書く小説の題材に近い匂いがするなぁ~。

 

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今週は過去と現在が再会するような三冊でした。マヤであったり、こども時代であったり、キャンパスライフであったり。過去と現在を行ったり来たり、頭の中が忙しくなりそうですね(笑)

 

結局、この夏もコロナ一色になってしまいました。いつまでこの状況が続くのか、考えただけで気持ちが沈みますが、本はどんな時でも寄り添ってくれる存在、有難いです。

ということで、今週はここまで。それではまた来週!