えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【ラジオ】<中瀬ゆかりのブックソムリエ>これはただの夏:燃え殻:2021年8月12日放送 

 

ニッポン放送あなたとハッピー!2021年8月12日放送分

 

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新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナーで紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。

 

 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!

 

毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?

早速見て行きましょう。 

これはただの夏:燃え殻

 

■著者略歴

1973年生まれ。小説家、エッセイスト、テレビ美術制作会社企画。WEBで配信された初の小説は連載中から大きな話題となり、2017年刊行のデビュー作『ボクたちはみんな大人になれなかった』はベストセラーに。同作は2021年秋、Netflixで森山未來主演により映画化、全世界に配信予定。エッセイでも好評を博し、著書に『すべて忘れてしまうから』『夢に迷って、タクシーを呼んだ』『相談の森』がある。━━新潮社著者プロフィールより

 

内容

その瞬間、手にしたかったものが、目の前を駆け抜けていったような気がした……。
「普通がいちばん」「普通の大人になりなさい」と親に言われながら、周囲にあわせることや子どもが苦手で、なんとなく独身のまま、テレビ制作会社の仕事に忙殺されながら生きてきてしまった「ボク」。取引先の披露宴で知り合った女性と語り合い、唯一、まともにつきあえるテレビ局のディレクターにステージ4の末期癌が見つかる。そして、マンションのエントランスで別冊マーガレットを独り読んでいた小学生の明菜と会話を交わすうち、ひょんなことから面倒をみることに。ボクだけでなく、ボクのまわりの人たちもまた何者かになれず、何者かになることを強要されていたのかもしれない……。━━Amazonより

 

以下、番組内の話をざっくりと抜粋しています。

 

中瀬さん:

燃え殻さん、待望の4年ぶりの小説第二弾。

前作は「この切なさは事件だ」って、普段小説を読まない男性たちが飛びついて読んで、「ものすごいキュンキュンした」「切ねーー」ってなったと言うね。

 

リアルなんですよ。匂いとか、音とか、空気とか、出てくる肌感覚とか、そういうものを書くのが本当にうまくて、時代のある瞬間を切り取るみたいのが抜群にうまいんですよね。特別ものはなにもない日常が出てくる、下手すれば退屈な日常ばかりが出てくる。すごい事件が起こることもない。

 

主人公は普通という価値観を押し付けられ、反発を覚えながらも生きている。こういう人っていっぱいると思うんですけど、主人公も親に言われながら周囲に合わせることとか生きづらさを感じながらいる。けどそれだからと言って、すごく苦しんだり悶々としているわけではなく、飄々とした僕が主人公なんです。

 

(ここであらすじを紹介)

 

 

中瀬さん:

永遠ってないじゃないですか。失われる予感はあるんだけど、でも続いてほしい。でも続かない...。そんな気持ちが、どわーーってよみがえってくる。「これはただの夏」ってタイトルに込められた、ただの夏であって、だだの夏ではない。この二重の意味が、ほんとね、これ最後の一行を読み終わったときに...パタッと閉じて、しばらーーーく余韻に、そしてある音楽が流れてくる。ラジオも結構出てくるんですけどね。それが頭の中に、私もちょっと思わず歌ってしまったんですけどね。

 

いろんな世代の人が、小学校五年生から40代くらいの人が出てきますから、誰に気持ちを寄り添わせるかで読み方も変わってくると思います。とても素敵な一冊でした。

 

デビュー作はこちら

 

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<感想>

燃え殻さん、SNSでもよくお名前も拝見していたし、話題にもなっていたので、一度は読まなきゃって思っていましたが、中瀬さんのお話を聞いて、なにかピンとくるものが。まずは前作を読みたいと思います。夏ならではの切ない思いなどにどっぷり浸れそうな予感です。それでは、また来週!

 

★過去のラジオ棚はこちらです。

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中瀬さんはこちらの番組でもエンタメ番付のコーナーをお持ちです。姉妹サイトうずまきぐ~るぐるで紹介してますので、合わせてお楽しみください。

ではまた!