王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2021年年9月18日分はこちら!!
オーラの発表会:綿矢りさ
■内容
「人を好きになる気持ちが分からないんです」
海松子(みるこ)、大学一年生。他人に興味を抱いたり、気持ちを推しはかったりするのが苦手。趣味は凧揚げ。特技はまわりの人に脳内で(ちょっと失礼な)あだ名をつけること。友達は「まね師」の萌音(もね)、ひとりだけ。なのに、幼馴染の同い年男子と、男前の社会人から、 気づけばアプローチを受けていて……。「あんまり群れないから一匹狼系なんだと思ってた」「片井さんておもしろいね」「もし良かったらまた会ってください」「しばらくは彼氏作らないでいて」「順調にやらかしてるね」――「で、あんたはさ、高校卒業と大学入学の間に、いったい何があったの?」
綿矢りさデビュー20周年!他人の気持ちを読めない女子の、不器用で愛おしい恋愛未満小説。━━Amazonより
■著者について
1984年京都府生まれ。早稲田大学教育学部卒業。
2001年『インストール』で第38回文藝賞を受賞しデビュー。
2004年『蹴りたい背中』で第130回芥川賞を受賞。
2012年『かわいそうだね?』で第6回大江健三郎賞を受賞。
2020年『生のみ生のままで』(上・下)で第26回島清恋愛文学賞を受賞--Amazonより
綿矢さん:
人の気持ちがわかない分すごく素直に行動するから、それによって嫌われちゃったりもする。人間の根本的なやさしさをすごく持っている子として描きたいなと思って書きました。
━━ほぼ初対面の人に「今日のお昼は〇〇だったでしょ?」って聞かれたらちょっと引きますよね。
綿矢さん:
本人は特技と思っているんですけど、でも、実際にすると本当に嫌われます。人と人が仲良くなる時って相手のことを思いやって相手が喜びそうなことを言ったり、繊細なコミュニケーションから始まることが多い。海松子みたいにそのままガーンとぶつかっていくと嫌われるけど、結果的には初めから気ごころが知れている関係性を築ける。そういうコミュニケーションもまたいいなって。
(ここであらすじ紹介)
━━すぐに恋愛関係にならないところが海松子ちゃんらしいですよね。
綿矢さん:
初めて恋愛に対して深く考えるようになったけど、どう情緒を盛り上げていけば良いのか....。
━━人との距離の縮め方についても考えさせられました。
綿矢さん:
SNSとかもあってみんな人の心に敏感になっていくし、そうしないと空気が読めないとか言われたりするけど、むしろそれができないことで自由さが増しているというところが主人公にはあります。
無理せず自分らしくつながりを築けばいい。そうやさしく語り掛けてくれるような愛おしい一冊です。
<感想>
あと70年は書きたいと意欲満々の綿矢さん。デビュー20周年だそうです。デビューされて間もないという印象ですが、すでに20年!立派なベテラン作家さんになっていたのですねぇ。人との距離感、いつの世も難しい問題ですよね。空気が読めないことにより自由さが増すとは?人間関係におけるヒントが得られそうですねぇ。
それではまた来週!
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