王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2022年11月19日こちら!!
■金環日蝕:阿部暁子
■内容
知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。犯人の落とし物に心当たりがあった春風は、ひとりで犯人探しをしようとするが、錬に押し切られて二日間だけの探偵コンビを組むことに。(GoogleBooksより)
■著者について
岩手県出身。2008年、『屋上ボーイズ』(応募時タイトルは「
いつまでも」)で第17回ロマン大賞を受賞しデビュー。『 どこよりも遠い場所にいる君へ』 は10万部突破のベストセラーとなり、『パラ・スター〈Side 百花〉』『パラ・スター〈Side 宝良〉』二部作は《本の雑誌》 が選ぶ2020年度文庫ベスト10第1位に選ばれた。 ほかの著書に『鎌倉香房メモリーズ』(全5巻)や『 また君と出会う未来のために』『室町繚乱』などがある。
■インタビュー
阿部さん:
ミステリを書きたいと思って今回の話を書いたんですけど、すごくミステリを読み込んでいる人達に比べるとまだまだ足りないなっていう感覚がある。
―――結構、苦労されたんですか?
阿部さん:
はい、そうえすね。「負けるな、暁子」とういう感じで書きました(笑)
阿部さん:
ニュースを見ていると詐欺事件の話がよく流れる。注意喚起はされているのに、これだけの人が騙されてしまうのは、たぶん注意が足りないだけではないという気持ちがある。やっぱり信じてしまうから騙されるんですよね。信じるってことは悪いことなのか?でも、信じてしまうがゆえに傷ついてしまう。その矛盾が「なんじゃろな」って思いながら書きました。
阿部さん:
悪事に手を染めている人間も出て来るんですが、そういう人たちを糾弾するポジションから書くのではなくて、あくまでもその人を一人の人間として人生を切り取りたい。
―――一歩間違えると、自分もその世界に踏み込んでしまうのではという危うさみたいなものが身に沁みました。阿部さんが、タイトル「金環日蝕」に込めた思いとは?
阿部さん:
詐欺っていう要素が大きくかかわって来る小説なので、彼らが暗躍して起きたことの輪郭は見えるけど、内実の部分では隠れてしまっててよくわからない。
―――(隠れていた部分を)気づいたからこそ、その人の裏側まで知れたり、何ていうんだろう、新ジャンルっていうか、はじめてこんな感覚になった。
阿部さん:
ありがとうございます(笑)
*なにが善で、何が悪か。とにかくすごいものを読んでしまったと感じる一冊です。
■感想
詐欺をする方、される方、両者の状況が解って来ると、見え方が反転する....という感じの小説なのでしょうか。先日読んだ辻村深月さんの「嘘つきジェンガ」も詐欺の話だったなぁ。いろいろな詐欺が横行している世の中。そこに注目している作家さんたちが案外多そうですね!それでは、また来週!
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■本日取り上げられた書籍 の一部
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日常のユーモアを切り取った150編