ニッポン放送あなたとハッピー!2023年1月12日放送分
新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナー紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!
毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?早速見て行きましょう。
笑犬楼VS.偽伯爵:筒井康隆・蓮實重彦
■内容
「宿命」の顔合せ、ついに実現!
同世代の巨人ふたりが胸襟を開いた豪奢極まる対話と往復書簡集、いよいよ刊行。
昭和9年生まれの作家と昭和11年生まれの批評家が遂に出会って交わした魅惑の対話、無類の相互批評、そして芳醇絶佳な往復書簡。
話柄は大江健三郎の凄味、戦前の豊かさ、文学的な悪意から、嫌=民主主義や映画、猥歌、喫煙、そして一人息子の死まで。蓮實重彦、書下ろし『時をかける少女』論収録!抜群の不良老人コンビが深く共鳴し合った、令和日本に過ぎたる名著誕生。(Amazonより)
■放送内容
以下、番組内の話の要点になる部分を簡潔に載せています。
・笑犬楼は筒井さんが普段この名を名乗って日記など執筆。偽伯爵は蓮實さんの「伯爵夫人」の小説から。
・同世代の巨匠ふたりが、がちんこで対話と往復書簡によって構成された一冊。
・二人には因縁がある。これまでたった2回しか会ったことがない。この本が出ても会っていない。
・二人とも80代後半。筒井先生が2つ上。
・ふたりの悲しい共通項は、一人息子を亡くされている。
・宿命的類似がある。
・大江健三郎氏をリスペクトしていることも共通している。
・互いの作品を論じ合うものある。
・まさにヴァーサス。裏表紙のおふたりの写真は必見。格好がいい。
・この巨匠二人の話し合いに立ち会える。是非読んでもらいたい。
■著者について
筒井康隆
1934(昭和9)年、大阪市生れ。同志社大学卒。1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。(新潮社著者プロフィールより)
蓮實重彦
1936年東京生まれ。近著に『ショットとは何か』『ジョン・フォード論』。(新潮社著者プロフィールより)
■感想
今年もブックソムリエがスタートしました。パンチのある1冊から始まりましたねぇ。蓮實重彦氏ってどなただろう?ってはじめ思ったのですが、中瀬さんのお話を聴いているうちに「ああ!」と「伯爵夫人」の装丁画を思い出しました。取材陣に塩対応した東大の元総長がいたなぁと。この方と筒井氏がどんな経緯でこのような本が出版されたのかも必見。筒井さんが息子さんのことを綴った「川のほとり」も合わせて読んでみたくなりました。
今年も旬な本をたくさん中瀬さんから紹介していただきましょう。それでは、また来週!
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