本日の王様のブランチ・BOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
王様のブランチ(2023年6月10日放送分)の、話題の本と著者のインタビューをまとめて掲載しています。
世界でいちばん透きとおった物語:杉井光
■内容
大御所ミステリ作家の宮内彰吾が、癌の闘病を経て61歳で死去した。女癖が悪かった宮内は、妻帯者でありながら多くの女性と交際しており、そのうちの一人とは子供までつくっていた。それが僕だ。宮内の死後、彼の長男から僕に連絡が入る。「親父は『世界でいちばん透きとおった物語』というタイトルの小説を死ぬ間際に書いていたらしい。遺作として出版したいが、原稿が見つからない。なにか知らないか」奇妙な成り行きから僕は、一度も会ったことがない父の遺稿を探すことになる。知り合いの文芸編集者・霧子さんの力も借りて、業界関係者や父の愛人たちに調べを入れていくうちに、僕は父の複雑な人物像を知っていく。やがて父の遺稿を狙う別の何者かの妨害も始まり、ついに僕は『世界でいちばん透きとおった物語』に隠された衝撃の真実にたどり着く――。(Amazonより)
■杉井光プロフィール
1978年東京生まれ。『火目の巫女』で第12回電撃大賞“銀賞”を受賞、デビュー(Amazonより)
■インタビュー
杉井さん:
ミステリーとして読んだら、しばらく放心して何も言えなくなる、そういう話を書きたかった。話的にも小説の原稿を探す話なので、まず編集者が必要だろうと思った。編集者を探偵にしたミステリーがあったらおもしろいと思って書いた。
この小説はあんまりいっぱい文章が書けない...その少ない分量の中でいかに霧子の出番を確保し、魅力的に書くかっていうのにすごく気を使いました。
―――タイトルが全てで、予想できないですけど、タイトルが答えですよね?
杉井さん:
そう言っていただけると。
ちょっとネタバレになるんですけど、文庫本で出版する前提で書いちゃったんですね。なので、出せて本当に良かったです。出せただけでちょっと奇跡みたいな感じでした。
「透きとおった」っていう表現を思いつけたのが良かった。
―――仕掛けが解って、「わぁ」ってなった後に、最後にまたおしゃれな仕掛けが。世界で一番、切なくて儚い物語でした。
*衝撃のラストにあなたの見る世界もきっと「透きとおる」。
■ひとこと
いやぁ~なんだろう。仕掛けって。とっても気になる感じの小説です。通常、本は、単行本➡文庫本という順番で出版されるのですが、本書はいきなり文庫で発売された。しかも、このことが物語のネタバレ的要素になるとのこですが....ん~~、わからん。とにかく、ラストはスゴイらしいですよ!ここまで聞いてしまうと、気になって読まずにはいられません。
それでは、また来週!
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