<中瀬ゆかりのブックソムリエ2023>目的への抵抗―シリーズ哲学講話―:國分功一郎著を紹介。
ニッポン放送あなたとハッピー!2023年6月22日放送分
新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナー紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!
毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?早速見て行きましょう。
目的への抵抗―シリーズ哲学講話―:國分功一郎
作品内容
自由は目的を超える――。『暇と退屈の倫理学』の議論がより深化、危機の時代に哲学の役割を問う!自由は目的に抵抗する。そこにこそ人間の自由がある。にもかかわらず我々は「目的」に縛られ、大切なものを見失いつつあるのではないか――。コロナ危機以降の世界に対して覚えた違和感、その正体に哲学者が迫る。ソクラテスやアガンベン、アーレントらの議論をふまえ、消費と贅沢、自由と目的、行政権力と民主主義の相克などを考察、現代社会における哲学の役割を問う。名著『暇と退屈の倫理学』をより深化させた革新的論考。(Amazonより)
放送内容
以下、番組内の話の要点になる部分を簡潔に載せています。
・講話がベースなので大変読み易い。
・今、最も注目を集めている哲学者でもある國分さん。
・著書の『暇と退屈の倫理学(新潮文庫)』は20万部突破のベストセラー。ここで繰り広げた議論をさらに深めたのが本書。
・東京大学で実際講義されたもの。相手は東大生や高校生。質問と答え、どちらも素晴らしい。
・コロナ禍のことを総括しているような内容。
・人間が人間として歴史の中で培ってきた文化を、コロナ禍で失ったことについて哲学者として警告。
・目からうろこがバザバサ落ちるような哲学的な思考がいっぱい詰まっている1冊。
・人によって響く場所が違う。
國分功一郎プロフィール
1974年千葉県生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、東京大学大学院総合文化研究科修士課程に入学。博士(学術)。専攻は哲学。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。2017年、『中動態の世界――意志と責任の考古学』(医学書院)で、第16回小林秀雄賞を受賞。主な著書に『暇と退屈の倫理学』(新潮文庫)、『来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題』(幻冬舎新書)、『スピノザ 読む人の肖像』(岩波新書)など。(新潮社・著者プロフィールより)
感想
「哲学」と言うと難しそう....と身構えてしまいそうですが、こちらは講話なので無理なく読めそうな感じですね。コロナはまだ続いてはいますが、すでに忘れ始めていることも多い。不安でいっぱいだったあの時、私たちの精神状態はどうであったのかも含め、本書で総括する。今読むのにちょうどいい内容だと感じました。それでは、また来週。
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