本屋大賞作家が選ぶ「この夏読みたい!読書初心者にもおすすめの一冊」
王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
今週の特集は、本屋大賞作家が選ぶ「この夏読みたい!読書初心者にもおすすめの一冊」です。
瀬尾まいこさん、凪良ゆうさん、町田そのこさんが、おすすめの本を紹介してくださいます。
瀬尾まいこさんのおすすめ
ぼっこちゃん:星新一
瀬尾さん:
星新一さんは何でもおすすめなんですけど、この1冊に50作品ぐらい入っている。とにかく短いから読み易い。SFっぽいのもあるし、ちょっと怖いのもある。誰でも「私はこれが好き」という作品が見つけられると思う。無駄な言葉が全然ないから、スカッと読める。
町田さん:
起承転結がついて、きちんと落としている。この文字数で何で落ちるんだ!っていう。
一番芯のところしか残っていない。
瀬尾さん:
多分、私が生まれる前に書いた話、50年以上前の作品なのに全然古くない。今私たちが思う未来にちょうどいい。それを答え合わせするのも面白い。
―――本を選ぶ時ってなに基準で選ばれていますか?
町田さん:
好きな作家さんが好きな作家さん、推している作家さん。
凪良さん:
それはある!数珠つなぎみたいに読んでいく。
町田さん:
誰が帯を書いているかとか見る。
―――作家に詳しくない人も居ると思うのですが、ジャケ買いもありなんですか?
(全員):ありです、ありです。
瀬尾さん:
私は書店さんの思う壺のお客さん。ポップに書いてある説明が参考になる。一番最近買った本は雨穴さんの「変な家」。書店さんにすすめられて、じゃ、買おうかなって。そんな感じです。
凪良ゆうさんのおすすめ
オールアラウンドユー:木下龍也
凪良さん:
短歌集です。1ページに1首ずつ。どこを開いてもいいし、閉じてもいい。読み慣れていない人はどうぞここから。
木下さんの短歌はすごく映像が浮かぶ。現代の短歌なので、思い浮かぶ映像がすごく自分に近しいもの。若い方や学生さんも、絶対共感できる一首が入っていると思う。恋の歌とかもたくさん入っているので、失恋した後などにもおすすめ。
―――ここでみなさんが小説が好きになったきっかけの本の話。
瀬尾さん:
一番面白いと思ったのは「大どろぼうホッツェンプロッツ」という海外作品。このシリーズを夢中で読みました。
町田さん:
私ファンタジーが好きなんです。「クレヨン王国」シリーズとか。自分の今住んでいる世界と別の世界に行きたいっていうのがすごく強かったので、そういうのをたくさん読みましたねぇ。
町田そのこさんのおすすめ
西の善き魔女:荻原規子(全8巻)
町田さん:
ファンタジーのシリーズでございます。私、本を読んでいると「あともうちょっとでこの世界が終わっちゃう」っていうのがすごく辛い。なので長い休みに別世界に旅行する気分で長く読んでもらいたい。この夏休みのひとつの冒険にしてもらえたらいいなと思います。
凪良さん:
読んだ、面白かった。1巻からもう十分面白かった。
町田さん:
すごく場面が変わって行って、学園ものになったりもするんですよ。どの展開になるかわからない。でも二人の主人公が支え合って、時に反発・喧嘩しながら前に進んでいくのがすごくワクワクする。大人になって読むと「この国に帰ってきた」って思うんですよ。いずれ自分も書きたいなって思うくらい好き。
凪良さん:
ファンタジーは別の難しさがありますよね。
町田さん:
そうなんですよ。無から世界を作り上げるからやっぱりハードルが高くなって、描き切れるのかどうか?って。
凪良さん:
最近だと一番ヒットしている言ってもいいようなファンタジー「レーエンデ国物語」を読ませてもらった。作者の多崎礼さんとお話しして、「ファンタジーって難しいですよね?」って聞いたら、「自分でイチから作れるから楽しいですよ!」って。「ないものや分からないものは、自分で作っちゃえばいいんですよ」と。こういうバイタリティがないとファンタジーは書けないなぁと。
感想
いやぁ~話が尽きないといった感じでした。次々と魅力的な本の紹介と、本にまつわるエピソードが大変面白かったです。全体的に女子会の感じで楽しそうでした。また、来年もこのような企画があるといいなぁ~。それでは、また来週!
この企画の続編も注目!!「思わず涙した感動作!」(2024.8.24放送分)