えとせとら本棚

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<中瀬ゆかりのブックソムリエ2025>第21回「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞作の紹介

 

第21回「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞作の紹介です。

 

ニッポン放送あなたとハッピー!2025年5月15日放送

新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナー紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?早速見て行きましょう。 

救われてんじゃねえよ

 

救われてんじゃねえよ

 

放送内容

以下、番組内の話の要点になる部分を簡潔に載せています。

17歳女子高生のヤングケアラーの話。

・家庭は貧しく、母は難病で自力でトイレに行けないほど。

父親は手伝わない。しかし性欲は旺盛、浪費壁も。

・今流にいえば「親ガチャに外れた」になる。しかし、ある意味共依存的な家族。

・重たいテーマだけど暗くならず、笑いが重要な描き方になっている。

 

 

 

介護の描写はとてもリアル、一瞬読むのを止めたくなるシーンも。

・読んでみないと解らないと思うけど、そこをどうやって笑いに変えるのか。ちょっとした些細なことがもとになっている。

同情や共感の先を書いている。

・人間の生命力の強さ、生きることの「可笑しみ」が人生のどんな辛い状況にも横たわっていることの凄さ。

最も殺傷力の強い文章(選考委員会談)と絶賛。

若き才能の誕生で次作も楽しみ。

著者プロフィール

2000年佐賀県佐賀市生まれ。京都芸術大学大学院在学中。「救われてんじゃねえよ」で第21回「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞。(新潮社・著者プロフィールより)

感想

本作は5時夢!でも紹介されていて、すぐに図書館に予約を入れました。介護の話は暗く重くなりがちですが、こういった明るいトーンで読めるのは、介護しているものにとってある意味救い、ほんの少し肩の力抜けそうで良いなぁ~と感じます。上村さんの今後も大変楽しみですね。R-18文学賞で受賞された作家さんたち、本当にいいですよ!それでは、また来週!

 

★過去のラジオ棚はこちらです。

中瀬さんはこちらの番組でもエンタメ番付のコーナーをお持ちです。姉妹サイトうずまきぐ~るぐるで紹介してますので、合わせてお楽しみください。