王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。
インタビュー
―――なぜタワマンを舞台にされたんですか?
森さん:
もともとタワマンを描きたかったわけじゃないんですけど、格差を描きたいなとというのはあって、富裕層の暮らしと貧困層の暮らしの両方を俯瞰して見られるということが贅沢だろうなと思ったので、それを描きたいと思いました。
―――中盤からは怒涛の展開が待ち受けていますよね。そこから結末、騙されました。しっかり、してやられました。
―――登場人物全員が違った思惑があって、それがタワマンの最上階でぶつかることで、すごく大きな物語になりますよね。
森さん:
そうですね。構想段階で自分が思っていた以上にぶつかり合うな、こいつら.....っていう感じはありましたね。書き出したら、これは「うわぁ、これは大変なことになったな」と思いました。
主人公と富裕層の暮らしが入れ替わる、そしてそのあとどうなるんだ、男女のもつれのこともそうですし、とにかく先が気になってしょうがないという話にしたいっていうのはありました。
―――なるほど。すごくハチャメチャな展開があって主人公はかなりどん底まで落とされるけど、どん底に落ちたからこそのラストが私は胸に響きました。
森さん:
良かったです。
―――最後にどんでん返しが起こるじゃないですか。それは本当にあり得るのと思って、ある部分を読み返したんですけど、全く矛盾がないんですよね。
森さん:
ミステリ的な意味でもそうですし、それがないと物語のテーマ自体が生きてこない。
―――あのどんでん返しが起きてからのラストのタイトル回収がすごく鮮やかで、本当に大好きでした。
*タワマンの最上階で繰り広げられる欲望渦巻く人間模様を描いた恋愛ミステリーです。
森晶麿プロフィール
1979(昭和54)年、静岡県生れ。2011(平成23)年『黒猫の遊歩あるいは美学講義』でアガサ・クリスティー賞を受賞。著書にこの「黒猫シリーズ」や「探偵シリーズ」「偽恋愛小説家シリーズ」の他、『かぜまち美術館の謎便り』『キキ・ホリック』『探偵と家族』『超短編!ラブストーリー大どんでん返し』『チーズ屋マージュのとろける推理』『切断島の殺戮理論』などがある。新潮社・著者プロフィールより)
ひとこと
やぁ~インタビューを聴いているだけで、謎も多いし、怖いしで、一体そのタワマンで何が起きているの?って感じでした。本作はかなり時間をかけて作られたようですよ。どんでん返しを含め、なかなか興味深い内容だと感じました。それでは、また来週。
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